札幌へ! 最新アートを巡る夏──『札幌国際芸術祭2014』 | Numero TOKYO - Part 13
Art / Post

札幌へ! 最新アートを巡る夏
──『札幌国際芸術祭2014』

まだまだ書き切れない。。公式サイトをチェックして吉!

……と、怒濤の勢いで「札幌国際芸術祭2014」の見どころをお伝えしてきたものの、その実態はまだまだこんなものではない。こんなのはまだまだ序の口。この記事を読んだところで、貴殿(あなた)はまだ、札幌への玄関口にも立っていないのだから!

考えてもみてほしい。
札幌といえば、夏に行きたい国内旅行先として1位2位を争う北海道の中心都市。当然、ドドンと大きく構えて揺るがない。いわゆる “でっかいどう” の貫禄である。
にも関わらず、その札幌が本腰を上げて初の国際アートフェスティバルを開催する。さらに、ゲストディレクターに世界の坂本龍一を指名。ようするに本気。ガチなのだ。

そして掲げられた「都市と自然」という言葉。
これがまたコク深い。例をあげるなら、「歩道のアスファルトを突き破って大根が生えた!」「こっちではひまわりの花が咲いた!」系の “ど根性植物” 系の記事。
数え切れないほどの草木をなぎ倒し、広大な野山を切り拓いて築き上げられてきた現代の都市生活にあっても、路面の割れ目から雑草が芽吹き、コンクリート塀を木の根が砕き、野生化したペットのインコやカメが群れを成すなど、「都市と自然」とは、まさに私たちを取り巻く環境そのもののことなのだ。

その象徴ともいえる北の大都市・札幌で、豊かな自然や街の文化を楽しみながら、文明のあり方や歴史を感じ、これからの共生のあり方をともに考えていく……。
まさに、 “いまアートにできること” を問う試み。そして、世間的な「アート=趣味」という思い込みを覆し、アートの力によって人類共通の “この先の世界” を描き出す試み。
「札幌国際芸術祭2014」を訪れ、札幌の「都市と自然」を体感することは、イコール、私たちが向かうべき未来を訪れることでもあるのだ……!
(感想文おわり)

……とはいうものの、
行こうか行くまいか
まだ迷っている貴殿(あなた)。
正直、どうすればいい? 答えは簡単。
ずばり、公式サイトをチェックしよう!
まずはそこから。あとは、貴殿の目で、耳で、そして体全体で、この勇気に満ちた取り組みを最大限に楽しんでみてほしい。
いざ飛び立とう、「札幌国際芸術祭2014」へ……!

『札幌国際芸術祭2014』
(Sapporo International Art Festival 2014)略称:SIAF(サイアフ)2014
期間/7月19日(土)〜9月28日(日)
会場/北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館、札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)、北海道庁赤れんが庁舎、モエレ沼公園、札幌市資料館、札幌大通地下ギャラリー500m美術館 ほか
URL/www.sapporo-internationalartfestival.jp

※『Numero TOKYO』9月号(7/28発売)では、「札幌国際芸術祭2014」の開催情報やゲストディレクター 坂本龍一のインタビューに加え、
札幌在住カルチャー女史Cさんが厳選した札幌の夏イベントやガイドブックには載らないディープな最新オススメスポットも熱烈紹介。もちろん、チェックするのが大吉!

Text:Keita Fukasawa

Profile

深沢慶太(Keita Fukasawa) フリー編集者/ライター/『Numéro TOKYO』コントリビューティング・エディター。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numéro TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集・執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集や、編集者9人のインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)など。

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