札幌へ! 最新アートを巡る夏──『札幌国際芸術祭2014』 | Numero TOKYO - Part 10
Art / Post

札幌へ! 最新アートを巡る夏
──『札幌国際芸術祭2014』


まさに「都市と自然」! 坂本龍一からのメッセージを体感

向かった先は、モエレ沼にそびえ立つ、全面ガラスのピラミッド。レストランやショップが併設された館内に足を踏み入れると、坂本龍一 + 真鍋大度『センシング・ストリームズ —不可視、不可聴』の巨大な4Kモニターがお目見え。
チ・カ・ホこと札幌駅前通地下歩行空間を行き交う人々が手にした携帯電話などの電子機器、電気系統や報知器など無数の機械類が発する
電磁波から、通信用の電波まで、私たちを取り巻く目に見えない無数の潮流をリアルタイムで可視化&可聴化し、体感させてくれる作品だ。

続いては、坂本龍一 + YCAM InterLab『フォレスト・シンフォニーin モエレ沼 supported by LOUIS VUITTON』。
これは、モエレ沼公園や札幌市内ほか、国内外の樹木にセンサーを設置して生体電位データを取得、その解析データを音楽へと変換することで、シンフォニーを奏でるというもの。
無数の木を切り拓いて造られた都市と、それを取り巻く森の恩恵……坂本龍一が想いを注いで作り上げてきた芸術祭のテーマ「都市と自然」を、まさに象徴する作品と言えるだろう。

Text:Keita Fukasawa

Profile

深沢慶太(Keita Fukasawa) フリー編集者/ライター/『Numéro TOKYO』コントリビューティング・エディター。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numéro TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集・執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集や、編集者9人のインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)など。

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