サカナクション 山口一郎が仕掛ける「NF」が提示する、未来の価値とは? | Numero TOKYO - Part 2
Culture / Post

サカナクション 山口一郎が仕掛ける「NF」が提示する、未来の価値とは?

まるで祭りのようだった“SEN”のインスタレーション

三田真一(以下M)「GOCOOさんの太鼓の音を間近で聞きながらのステージだったので、いま耳が聞こえないです(笑)」

──#0も含めると今回は実質3回目。これまでのインスタレーションは無音の中で行われていましたが、今回は爆音。GOCOOさんによる原始時代のお祭りのような音のイントロダクションがあって、そこにモデルが登場し、まずは三田さんが“スニーカー”を着付けていく。同時に田中さんがボディペインティング。服が仕上がって行くと、今度は柳澤さんが光の演出を加えていく…。スニーカーを使うというアイデアはどこから?

M「僕自身は2002年から、ナイキのスニーカーを使って服を作るという実験的なもの続けていて。本来は履くためのフッドウェアをスタイリングして着てしまうという非日常を作ることで、ファッションがアートにならないかなという発想からはじまった挑戦。ナイキに承諾を得て、ナイキのスニーカーを解体して再構築して服にする。解体した断面を別の形で連結させて見たことのないものにするんです。考えたらもう10年以上実験していますね」

──接合せれていくスニーカーがまるで骨のようで、それもまた原始的な演出になっていて。ナイキの靴を分解できる人は世界に3人しかいないと聞きました。

M「そうですね。僕がいつも使うのは、ナイキの中でもダンク。10年前の当時いつもダンクを履いていたのがきっかけ。ちょうどナイキIDが出て、オーダーで作れるようになった頃。主に真っ白なものを解体して、接合は接着剤などは使わずに元々付いている紐だけで繋いでいく。繰り返して行くと永遠に形が完成しないとも言えるし、すぐにバラして元に戻せるところも面白い。靴は左右あるから、体のバランスに合わせて左足を左側、右足は右側に使うとバランスが保てる」

──そこに田中さんが加えて行ったボディペインティングのコンセプトは?

田中裕介(以下T)「スニーカーのソールを分解して作った判子と、このイベントNFのロゴマークと、サカナクションのシンボルでもあるサーチライトマーク。その3種を使ってペインティングしていました。GOCOOさんとの相性を繋ぐものになったらいいなと思って」

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