ムーミン美術館オープン!
ゆかりの地をたずねるフィンランド紀行
フィンランド生まれの世界的人気キャラクター、ムーミン。愛らしい姿ばかりでなく、ストーリーにちりばめられた深~い言葉や世界観に、子供も大人も夢中! 今年、世界初のムーミン美術館がタンペレにオープン。建国100年を迎えるお祝いムードのムーミンの国で、ものがたりの原風景に出会う。
トーベ・ヤンソンのヘルシンキ&
ムーミン美術館が誕生したタンペレへ
ムーミンの生みの親は、画家にして作家である、才気あふれる女性芸術家トーベ・ヤンソン。彼女の育ったヘルシンキの街で、しあわせな幼少期や画家を志す少女期などの足跡をたどる。そしてムーミン・ファンにはたまらない、お宝アイテムもゲット。
ムーミン美術館が名称新たにお引越し&リニューアルオープンしたタンペレは、ヘルシンキから電車で約1時間30分。2つの湖に挟まれた、のどかな地方都市。この街で触れる、自然に寄り添ったフィンランド流のライフスタイルにも興味津々!
ヨーロッパ旅行の前後にフィンランドへ寄り道
フィンエアーで行く最速&最短の旅
Special Thanks
Visit Helsinki(www.visithelsinki.fi)
Visit Tampere(visittampere.fi)
Visit Finland(フィンランド政府観光局)(www.visitfinland.com)
Helsinki
ヘルシンキ
作者トーベのゆかりの地めぐり&ムーミングッズ探し
旅のはじまりは、首都ヘルシンキから。フィンランドの玄関口であると同時に、日本からいちばん近いヨーロッパでもある。伝統とモダン、洗練されたデザインに日本人とどこか共通するホスピタリティなど、魅力を挙げだしたらキリがない!
ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンは、芸術家の両親の長女としてヘルシンキで生まれ、幼少期をここで過ごした。ストックホルムで絵画を学んだ帰国後も、ヘルシンキで挿絵画家として活動を続けた。彼女のバックグランドとなったヘルシンキ。ムーミンの挿絵やコミックの中にも、建物などに、この街の風景と重なる部分が見つかるはず。
地図を片手に、トーベ・ヤンソンの生き方を感じる
トーベが家族と暮らした生家や、現在は「トーベ・ヤンソン公園」と改名された子供時代に遊んだ公園、冬はスケートを楽しみ、夏はサマーコテージに出かけたハルコライトゥリ埠頭、絵画の基礎を学んだ現在のデザイン美術館、50年以上もアトリエとして使ったアパルトマンなど、トーベの人生をたどるお散歩ルート。
生家やアトリエがあるカタヤノッカ地区には、塔がそそり立つ建物が多く、作品の背景を垣間見る。観光案内所で、このコースが紹介されている、ムーミンの絵柄の入ったガイドマップ(日本語)を入手すれば、ガイドなしでも回れる。
Helsinki Tourist Information
ヘルシンキ観光案内所
住所/Pohjoisesplanadi 19
TEL+358-9-3101-3300
URL/beta.myhelsinki.fi/en
ヘルシンキ市立美術館が紹介するトーベ・ヤンソン・ガイドルートも
URL/reitit.hamhelsinki.fi/en/trail/the-life-path-of-tove/
トーベ・ヤンソンの常設展で隠れムーミン探し!?
9000点以上のアート作品やコレクションを、街全体を使って展開している美術館。中核となる展示スペースは、ヘルシンキ中心部の地下鉄カンピ駅すぐ近くにある、1937年に建造された近代的な建物。この館内にトーベ・ヤンソンの常設展がある。
彼女の最初に手掛けた2点のフレスコ画も展示。作品の中にこっそり隠れたムーミンを探すのも、楽しみ! また、小児科病棟のために描いたムーミンと仲間たちの作品は、子供たちにとって大嫌いな病院さえ、わくわくさせたことだろう。
Helsinki Art Museum
ヘルシンキ市立美術館
住所/Eteläinen Rautatiekatu 8, Helsinki
営業時間/11:00~19:00
休館日/月
入場料/一般 €10、割引€8、18歳未満 無料
TEL/+358-9-310-1051
URL/www.hamhelsinki.fi/ja/
大人かわいいムーミン・クロージング
デザイン・ディストリクト内、来年20周年を迎えるレディスブランド「イヴァナ・ヘルシンキ(Ivana Helsinki)」。パリコレに参加実績もあるデザイン性の高いレギュラーラインに加え、ムーミンをモチーフにしたクロージングやバッグなどの小物類が人気。
ムーミンを小さな水玉模様のようにあしらったプリントや、レース編みのモチーフに隠れているなど、ひとヒネリが効いている。1階はレギュラーライン、ムーミンコーナーは地下1階へ。
Ivana Helsinki
イヴァナ・ヘルシンキ
住所/Uudenmaankatu 15 Helsinki Finland
営業時間/11:00~18:00(月~金)、11:00~16:00(土)
定休日/日
TEL/+358-50-5051624
URL/www.ivanahelsinki.com
ムーミン谷の住民気分でくつろげるカフェ
ムーミン谷をフィンランド・デザインで表現したおしゃれなカフェ。目下5店舗を展開中で、こちらは2016年12月2日オープンの1号店。1950年代の食料品店を改装した店内には、ヴィンテージの家具が並び、天井から吊るしたブランコなど子供たちが遊べるスペースも。
そして多様な言語のムーミンの絵本を用意。メニューは、夏にはクリームを使ったレモンとリコリスのケーキ、冬はカップケーキやマフィンなどがおすすめ。俳優による読み聞かせやキッズ向けのワークショップも開催している。
Mumin Kaffe
ムーミン・カフェ
住所/Liisankatu 21, Helsinki
営業時間/9:00~19:00
定休日/無休
URL/muminkaffe.com/ja/
TEL/+358-50 3286272
お土産に大人気! ムーミンの金太郎飴
ヘルシンキ大聖堂近くのキャンディー専門店。サトウキビのシュガー、水、シロップをベースに、フレーバーはラズベリーやストロベリー、リコリスなど、キャンディーはすべて店内で手作りされている。ノンシュガーのタイプも。ダントツ人気はムーミンの金太郎飴! クリスマスなどシーズンによっては限定フレーバーも登場。誰にあげても喜ばれるお土産だ。
Sweet Story Helsinki
スウィート・ストーリー・ヘルシンキ
住所/Katariinankatu 3, Helsinki
営業時間/10:00~19:00(月~金)、11:00~18:00(土)、14:00~17:00(日)
TEL/+358-50-5303676
URL/sweetstory.fi(フィンランド語のみ)
港を見下ろすデザインホテルは、
ヘルシンキ随一の背高のっぽ
2016年10月、ウエストハーバーにオープンした16階建ての高層ホテル。425のゲストルームはムダのない、スタイリッシュなデザイン。
ルーフトップにあるレストラン&バー「スカイ・ルーム」はヘルシンキ随一の高さを誇り、床から天井までの大きな窓ガラスからハーバーを見下ろす絶景スポット。サンセットタイムには、地元の人々で大賑わい。同じく16階にある「プール&テラス」には、眺めのいい温水プールや、男女別のサウナ、ジムも。
Clarion Hotel Helsinki
クラリオン・ホテル・ヘルシンキ
住所/Tyynenmerenkatu 2, Helsinki
URL/www.nordicchoicehotels.com/clarion/clarion-hotel-helsinki/
Tampere
タンペレ
ムーミン美術館がオープン! 産業遺産が人気観光スポットに
ヨーロッパ最大級の湖水地方の中心的役割をなすタンペレは、ナシ湖とピュハ湖に挟まれた地峡エリア。人口20万人の街の中央に、2つの湖を結ぶタンメルコスキ川がゆったりと流れている。
タンペレは、フィンランド第3の都市というけれど、どこかのんびりとしたムード。小島がぽこぽこと浮かぶ湖を見下ろす小高いピスパラ住宅街の公園や、タンメルコスキ川の河畔には、地元の人々が集い、短い夏を謳歌している。日々の暮らしを大切に楽しむ、そんな心のゆとりが感じられる。
もともとは1820年に老舗テキスタイルメーカー「フィンレイソン」の工場によって栄えた街だが、その工場跡や厩舎後など産業遺産を、レストランやカフェ、ショップとして再開発。新たなスポットとして人気を集めている。そして2017年6月、世界初のムーミン美術館がオープン。ムーミン・ファンの聖地でもあるタンペレ、ますます気になる!
世界初にして最大の、ムーミン美術館が登場!
2017年6月17日、世界ではじめてとなるムーミン美術館が、タンペレホールにオープン。トーベ・ヤンソンの原画や、パートナーであるトゥーリッキ・ピエティラの立体イラストレーションに加え、インタラクティブな仕掛けがちりばめられた楽しい展示になっている。
展示は小説9冊と絵本3冊の計12ストーリーのチャプターごとに、巨大な本の表紙が建てられ、それぞれの世界観を構築。ムーミン谷の仲間たちが繰り広げるストーリーは、わくわくする冒険あり、人生の知恵あり、切なさあり。初期のムーミンは鼻が尖って目が小さいが、徐々に丸みを帯びたおなじみムーミンに成長していく(!?)変遷も、ファンにはたまらないはず。日本人スタッフの常世田さんのムーミン愛が伝わるガイドは、歴史的背景や画法など、作品の理解をさらに深めてくれる。
ハイライトは、1階から地階へと下りる階段近くの巨大な彗星のインスタレーション。階段を下りるにつれて彗星が接近してくる轟音が響き、地階の天井を見上げるとシャンデリアのような彗星がキラキラと輝く作品だ。また、トーベの生前の愛用品など、秘蔵のコレクションも見どころ。
ちなみに、これらのアートコレクションは、タンペレ美術館内のムーミン谷博物館に展示されていた、作者であるトーベ・ヤンソンから寄贈されたもの。その数、2000点を超す。そしてこのたび、ムーミン谷博物館から、新たに設計されたタンペレホール内へお引越し、リニューアルオープンとなった。館内ショップにはムーミングッズや絵本、小物など、ファン垂涎のお宝がざっくざくだ。
Moomin Museum
ムーミン美術館
住所/Tampere-talo, Yliopistonkatu 55, Tampere, Finland
営業時間/9:00~19:00(平日)、11:00~18:00(土・日)
休館日/月
入場料/大人 €12、小人 €6
TEL/+358-3-243-4111
URL/muumimuseo.fi/ja/(日本語)
ムーミン美術館に併設する
フィンランド料理レストラン
ムーミン美術館の入っているタンペレホールの改装に合わせて、リニューアルオープンしたフィンランド料理レストラン。名物はシェフの解釈によるムーミン・メニュー(€39)。
ムーミンの大好物のフィッシュスープをモチーフにしたサーモンのスープや、ムーミンママの伝統的なイチゴジャム添えのパンケーキなどがラインナップ。愛情こめて料理をするムーミンママのように、野菜はホール屋上の自家農園で育て、自分たちで摘み、使っている。
Tuhto
トフト
住所/Tampere Hall, Yliopostonkatu 55, 33100 Tampere
営業時間/11:00~23:00(月〜14:00、金〜24:00、日〜18:00)、12:00~24:00(土)
TEL/+358-50-3319-315
URL/www.ravintolatuhto.fi
ムーミンのストーリーから
インスパイアされたコース料理
ムーミン美術館からほど近い、スカンジナビア料理のレストラン。ムーミンの大ファンであるシェフのヤレッコさんが、小説や絵本からイマジネーション受けて作り上げた“ムーミン・インスパイアード・メニュー”(€33.5)が自慢。
どの料理にも、あのストーリーのこんなシーンから生まれたという逸話があり、シェフもエピソードを語り出したら止まらない。たとえば魚料理のグラブラックスは『ムーミンパパ海へ行く』の灯台での食事のシーンから。このメニューは14時以降だが、ランチでも予約をすればアレンジOK。
Myllärit
ミュッラリ
住所/Åkerlundinkatu 4, Tampere
営業時間/11:00~14:00(平日ランチ)、11:00~22:00(アラカルト、火~木)、11:00~23:00(金)、15:00~23:00(土)
TEL/+358-20-7739444
URL/myllarit.fi/en-gb/frontpage.aspx
人気老舗テキスタイルメーカーのアウトレット
タンペレの街に1820年に誕生したテキスタイルメーカー、フィンレイソン。鮮やかな色使いのフラワーモチーフや、ムーミンのアイテムが手頃なプライスで!
広い店内に所狭しにテーブルクロスやシーツ、タオルやバスタオル、ランチョンマットなどがずらりと並んでいる。お手頃な掘り出し物が見つかるはず!
Finlayson Factory Shop Tampere
フィンレイソン・ファクトリー・ショップ・タンペレ
住所/Kuninkaankatu 3, 33210 Tampere
営業時間/10:00~17:30(土~16:00)
定休日/日
TEL/+358-400-193-133
URL/www.finlayson.fi
厩舎跡に、かわいいショップやカフェが大集合!
かつて馬車の待機場だった場所に、愛らしい小店が集まった複合施設、タッリピパ厩舎跡。
手作りのかわいい雑貨屋さんやチョコレート専門店、色とりどりのカップケーキが並ぶカフェなど、一軒ずつ扉を開くたびにわくわく。フィンレイソン工場跡から続く、再開発エリア探訪のひと休みにもちょうどいいロケーション。
Tallipiha Old Stable yards
タッリピハ厩舎跡
住所/Kuninkaankatu 4, Tampere
営業時間/11:00~18:00(日 ~16:00)
カフェ 9:00~18:00、(日 10:00~)
※クリスマス時は営業時間に変更あり
TEL/+358-45-3267004
URL/www.tallipiha.fi/35
ムーミン美術館まで徒歩1分のデザインホテル
コンテンポラリーな意匠に、トナカイの角やファーが飾られた、ラップランドの自然や神話をテーマにしたデザインホテル。
白とグレーをベースにした141室のゲストルームの壁には、トナカイの角やロヴァニエミ出身の写真家の作品が飾られている。また、レストランではノルディックの自然をテーマにした食をサーブ。雑貨ブランド「ペンティック」とコラボした、森の色や影をコンセプトにしたテーブルウェアもステキ!
Lapland Hotel Tampere
ラップランド・ホテル・タンペレ
住所/Yliopistonkatu 44, Tampere
URL/www.laplandhotels.com/EN/urban-hotels/tampere/lapland-hotel-tampere
Mantta
マンッタ
タンペレから一歩足を延ばして、マンッタへ
タンペレからシャトルバスで約1時間30分のアートタウン、マンッタ。森と湖が広がる自然豊かな環境の中で、アートに触れられる小さな町だ。8月にはアートや音楽のフェスティバルも開催され、フィンランドで今注目を集めている。
フィンランドの自然の中でアートを感じる
製紙工場で財を成したセーキウス・ミュージアム・イェスタは、アクセリ・ガッレン・カッレラに代表されるフィンランド人アーティストたちの作品や、コンテンポラリーアートを集めた美術館。ガーデンにも作品が展示され、いわば箱根の森美術館フィンランド版!? 美術館では自転車やボートのレンタルも行い、広大な敷地の自然も満喫できる。
Serlachius Museum Gösta
セーラキウス・ミュージアム・イェスタ
住所/Joenniementie 47, Mänttä
営業時間/10:00~18:00(6月1日~8月31日)、11:00~(9月1日~5月31日)
休館日/夏季は無休。冬季は月曜定休日。
入館料/€30(タンペレからのシャトルバス代込み)
TEL/+358-3-488-6800
URL/www.serlachius.fi/en/our-museums/gosta/
フィンランド体験が詰まった湖畔のホテル
ラプカルタノは湖畔にたたずむブティックホテル。サウナで思い切り汗をかいたら、湖へジャンプ! ご当地名物のザリガニ屋でスモーク料理を楽しみ、湖でのんびり釣り糸を垂れ、ワイルドベリーやキノコを摘みに森へ。
フィンランドらしい過ごし方が、夏も冬も通年通して体験できる。
Rapukartano
ラプカルタノ
住所/Koivuseläntie 77, 35700 Vilppula, Finland
TEL/+358-44-592-9429
URL/www.rapukartano.fi/?lang=ja (日本語)