☆前回のあらすじ☆
謎のテーマパーク“オーシャンパーク”にてはしゃぎまくったり
中国人に道を訊かれまくったりしていたわたしは
“海洋列車”というアトラクションに出会い、乗り込もうとしているところであった。
水をだらだら垂らす謎のメカの横を通って、
”海洋列車”に乗り込む。
日本の電車2両分ほどの海洋列車は動き出すと窓の外にいろんな生物を映し出して見せた。
もちろん冷房は安定のガンッガンである。
しかし映像が結構なにがなんだかわからない。イカが出てきたりメカが出てきたりだ。
数分して、海洋列車が止まる。
わたしは「なんてちゃっちいアトラクションなんだろう」と思いながら、外に出た。
すると、目の前にあるのは見たこともない景色。
そう。わたしがさっき乗り込んだところとは、全く違う地点に降り立ったのだ。
わたしは「入口の裏側に出たのカナ???」と思っていたが、元の場所へは一向に辿りつかない。
実は、それもそのはず。
オーシャンパークは、
南朗山という山のふもとの両側に広がっているから。
わたしは気付かないうちに、「このアトラクションちゃっちい」と思っているうちに、
なんとまさかの山越えを果たしてしまったのです。
さっすが世界テーマパーク入場者数第11位なだけあるぜ!(微妙すぎるほめ方)
しかし『山越え』の事実に気付いたのは
わたしはもう少し後のことになる。
少ない時間でたくさんのものを体験したかったので、
無差別ライダー(ただし怖いものは除く)になり、かたっぱしからアトラクションつぶしを始める。
まず入ったのは熱帯雨林探検隊だ。無差別ライダーとかいいながらあまりに平和な出だしだ。
わたしはサルを眺める。
ものすごいデジャブ感に襲われる。
ああ。確かにわたしは、さっきもサルを眺めていた…。
確かに同じサルだけど
今ここで並べてみたらあまりのボディバランスの違いに驚きを隠せない。
ちまっとしたコロコロのおさるさんと、憂いを帯びたスタイルのよいおさるさん…
オーシャンパークでは、サル種について考えることもできます。
次にはこの動感快車
の前は軽やかに通り過ぎて、
北極之旅へ。
い、いや…怖すぎる!怖すぎるよ動感快車!!!!
入口も怖いしジェットコースターもこわいし…びびるわ!こんなん!
北極之旅は至って平和、ペンギンさんがのんびりしているのをゆったり眺められます。
ポーズとこの自由度の高さに微笑まずにはいられません。
そして出口ではもちろんお土産に誘惑されます。
またもパンダに次ぐ強敵ペンギンさんの全力の誘惑です!
隣接された南極奇観ではアシカかシャチか何かがいるのですが…あまりに動きが速すぎて彼がいったい誰だったのか。
レポートとして最低のクオリティの写真しか撮れませんでした。
…はい。そろそろお気づきでしょうか。
無差別ライダーを名乗ったものの、水族館、パンダ園、海洋列車、北極之旅と
ここまで見事に眺めることしかしてません。
遊園地部分を満喫できていない…!
わたしは謎のポールを通り過ぎ、南朗山を越えるためのゴンドラの乗り場へ。
待ち時間45分…。
ちょっと待ち時間が長いけど、乗らないわけにはいかない。
このゴンドラこそがこのテーマパークの真骨頂”スリル担当”なのだから…!
わたしは45分待つことを決意したが、ここからが本当の正念場だったのである。
なぜならその45分間が、後ろに並ぶ中国人との壮絶なバトルだったからだ。
あいつら…すごい抜かそうとしてきやがる!わたしはなんとか防ぎたい。
必死の攻防!
45分後、やっとゴンドラに乗れる…!と思いきや、
向こうの遊園地は日本とは違い係りのひとが「何名様ですね?こちらにどうぞ!」と誘導してくれるわけではないので
乗れるだけ各々判断して勝手に乗るというシステムなのですが
結果あいつらと一緒に乗ることになりました。
なんだったんだ!わたしの必死の45分間!返せ!
前のゴンドラは父と子でアットホームな空間を作っているというのに
こっちは同じサイズのゴンドラに中国人2人が2組乗り込んで総勢5名の10分間…
揺れるゴンドラ。ゴンドラから見た地上ははるか遠い。岸壁の上空を渡っていく。
みんなが「わー!こわいー!」だとか「景色いいねー!」だとか「夕飯なに食べる?」だとかキャイキャイしてるなか
もちろん誰に「こわい」などと言えるわけもなく、わたしはちいさくなる…
かなしい思いのまま、山の向こう側に辿り着く。
わたしがトボトボとゴンドラから降りていくと、
なんと反対サイドに行くゴンドラはガラガラじゃないか!
それも目が合った係りのひとに手招きをされるレベルのガラガラ!
そう。今の時刻は17:00を過ぎるところ。
帰宅を急ぐ家族連れなどのひとたちが、出口のあるほうのエリアへと下りてきていたからあんなに並んでいたんですね!
反対に、こんな時間に出口のないほうのエリアに行くひともあまりいないようで、このガラガラな上り車線。
この怖いゴンドラを、連続で?
ひとりで、わたしは往くのか?―――葛藤はほんの一瞬、わたしは勇ましくも上りゴンドラへと向かっていたのである。
続く