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少し体系的な話としてお伺いする。別の場所にいる時に、別の場所について描いた文章を、別の場所にいなくなってから御披露目する場合にどういう説明が適切か。例えば、こういうことかもしれない。
「ごめん。ブログ書いて公開ボタン押すの忘れてた。」ナカヤマン。です。
スペインのイビザ島にいる。高城剛さんはいない。クラブ産業という人工物の極みでありながら、大自然のパワースポットという変な場所。今年はパリス・ヒルトンが2億7千万円のギャランティーでDJを行ったニュースを目にした方も多いと思う。そんなイビザでの生活を一言で表すなら「日没を楽しむ生活」だと思う。
基本的にボクは海外にいても仕事をしている。NYでもパリでもイビザ島でもいつものように。移動する目的は休息ではない。目線や思考を変えることにある。言語が変わることは、色んなスイッチを切り替えるのにとても都合が良い。
スイッチが切り替わると経済的性感帯も文化的性感帯も変化する。舞台や個展などでコンテンツに刺激を受けることも、レセプションや会食で人に影響を受けることも多くなる。しかし、イビザのように、生活習慣的性感帯を変えてくれるパターンは意外と少ない。
日没を楽しむ生活。
日没の一時間前から移動を開始する。目的地は毎日変える。約二時間日没を眺める。ぼんやりと。毎日三時間を日没に費やすことになる。とても贅沢だ。色々と考える。東京にいると細切れになる『考える時間』をまとめて三時間、毎日担保することになる。『考える時間』をまとめる効能は深く潜れるようになるということだ。思考が多岐に泳ぎ出す。遠くに行けるようになる。遠い関係性まで。遠く先の時間まで。それが体系化されて見えるほど自分が遠くに行くこともある。深く潜ることは、シンプルになるというのに近い気がする。
今年は既に7月にもイビザを訪れている。50歳までの10年間を整理しに行ったので直近の数年はさすがに整理されている。そこにタイミングが良い依頼が来た。小学館 美的の『これからの美的のデジタル戦略』のムービー撮影だった。先を話す機会。兵庫編集長との対談形式。『閉じたイベント』で放映される目的なのだが、書ける範囲で記すとこういうことを話した。
1. デジタル戦略の側面から分析した美的
2. デジタル施策の事例共有
3. 向う三年のデジタル戦略
当社は2011年からデジタル戦略面の顧問として美的に関わらせて頂いている。色々なファッション誌、美容誌と仕事をさせて頂いているが、最も企画が実現しやすいメディアの一つである。メディアの性質上、戦略の軸となるのは『広告収入』となる。現存収益の担保と、新規収益の構築の二種類がある。
1. デジタル戦略の側面から分析した美的
・総じてアイコン、カリスマが市場を牽引する女性マーケットは、SNSとの相性がとても良い。タッチポイントの確保が比較的シンプルに進む。加えてアイコン、カリスマを介したコミュニケーションが情報伝達を助ける。まあイタコ・メソッドに近い。
・美容業界はファッション業界よりもロジカルな情報が多い。つまり情報量が多い。文字数が多い。これを効率的に現代女性に伝えるには、会話形式で情報を細切れにして伝達するSNSは理想的。
・母数。デジタル、特にSNSの戦略では元来担保できる母数が成功に導いてくれる。つまり美容誌実売No.1を誇る美的は前提条件において、競合にアドバンテージを持つ。
2. デジタル施策の事例共有
・美的では早々に公式アカウントを育成して、初年度からtwitterを用いたクライアントワークを実施している。目的は二つ。情報の拡散と、クライアントアカウントの育成補助。現在でも引き合いは多い。
・二年目からは特設サイトキャンペーンも実施。制作までを当社が出掛けている。CLINIQUEの案件では『まとめサイト』という概念を初めて使った。今では当社の代表事例のGU『GU TimeLine』の原型。美的、MAQUIA、AneCan三誌に分割出稿して頂いたコンテンツを一気通貫で読めるように『まとめ』る。クライアントにとって一番コンテンツリッチな場所を美的ブランドで「無理矢理、成立させる」という企画。力技が効くというのは頼りがいがあるメディアの証明だと思う。
・そして『美的子』。今後、活用すべきデジタルメディアが多岐に渡ることを見越して、メディアの横断性担保すべく企画したのが、美的公式キャラクター『美的子』。やはり人工的人格は、よく動き、よく話す。よく働く。2013年のLINEスタンプ『美的子』のお披露目からLINE史上第四位のDL数で大成功を納め、現在ではKABAYAのグミとのコラボレーションでコンビニの棚を占拠するまでに成長した。最近話題のtwitterアカウント『女子力ありません。」のアイコンも美的子w ぴったり過ぎるww
3. 向う三年のデジタル戦略
ここは書ける部分が少ないが、要は『美的子』の部分で記した「活用すべきデジタルメディアが多岐に渡ることを見越して、メディアの横断性担保」というのが全てだと思う。「多岐に渡る」というか「多岐に渡す」つもりだ。2011年以降、twitterアカウントから始まり美的は着実に押さえるべき『点』を押さえてきた。今は「上質な素材」が揃っている状態と言える。
業界に依らずデジタル戦略は総力戦に突入する。「素材」ではなく「料理」の勝負に近い。Instagaramだけ強くてもどうなるものでもないのだ。その点、美的は手持ちの「上質な素材」がふんだんにある。
「料理」の勝負は「素材」の勝負よりも積み上げが重要だ。時間も掛かる。見た目だけ立派な「料理」で体裁を整えて、結局「不味い」と言う事例は今以上に世の中に多発することになるだろう。実際の「料理」の勝負と違うのは、結果を示す事実が味覚ほど曖昧ではないということだ。そんな中で、美的は準備万端と言える。非常に楽しみであるある。