不忍池 | Munehisa Sakurada
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不忍池

誰にとっても自分のパワースポットがあると思うけど、僕のそれは上野、不忍池。
恋やら愛で傷心していた時、二人暮らしだった家を引き払って久しぶりに一人暮らしをした場所が
根津でした。
この辺の土地勘は全くなく、上野公園が近くにあるなんて事も住み始めてから気がついた位でした。

なんとなく眠れないけど早く起きてしまった時なんかに、よく散歩をしました。
それまで不忍池は行ったことはあったけど、家の近所になってみると新しい発見ばかりだった。
渡り鳥が変わっていく。桜の咲き始めはまだ蓮の葉はそこまで育ってなかった。
冬は、枯れきっていてこれから蓮が咲き始めるなんて想像もできない光景です。
それでも、徐々に蓮の葉が生い茂っていくのです。
6月の紫陽花が綺麗に咲いた後、蓮がぐんぐんと育つ。
それを見るのに夢中になって、それからは毎日通いました。

朝の上野公園は、太極拳をしている人たち、ラジオ体操の人たちが沢山います。
人々の中を抜けて、不忍池に通じる階段があり、
そこから、弁天堂が見えて降りていく。
前で一礼をして、蓮を観にいきました。7月過ぎから蓮の花が咲き始めるのでした。
カメラマン達が朝からその時を待ち構えています。
葉がまだそこまで生い茂ってなかった頃、水鏡に映る木々と蓮の葉が美しくて、
何かがわかった気持ちになりました。
それは、何なんだろう。ひとつと思っていた次元ではなかった様な感じ。
現実と、重なり合って違う次元たちが深く層になっている様な・・・
だけど、あっという間に水面が見えなくなるほど蓮は育っていた。
水面に映る、蓮を撮る気満々だったのだが、
現実に生きる蓮はもっと力強かったのであった。
ものすごく、ワイルド。。。
この営みがずっとここで繰り返されているなんて・・・
当たり前の事かも知れないけど、圧倒的な生命力なのでした。

その時に写真を撮り、作った作品がこちらです。

 

「蓮の波」 以下全て2011年


「蓮の音楽」


「宗久と蓮はまわりはじめる」


「宗久は蓮のようになりたい」


「宗久は不忍池で時空を飛んだ」

 

この蓮を観ているうちに、悩んでいた心がいつの間にか消えていました。
蓮の様に、ワイルドに生きたい!と思ったんです。
枯れかかっても、何度でも咲き続けようと。

 
そういえば、この不忍池を散歩している時、ゴミが多くて気になっていました。
お掃除のボランティアなどできないだろうか?と。
毎日、写真を撮っていたので恩返ししたい気持ちになってたんですね。
傷が癒えた場所でもあったし。
あっという間に引越しをしてしまって、そのことは実現できませんでしたが、
なんとバー星男のある新宿2丁目でお掃除のボランティアをはじめることになりました。
お友達の杉山文野くんがグリーンバードという団体で、歌舞伎町部を立ち上げてお掃除をしていて、
何気なく、新宿2丁目もやりたいなぁと言ったら、(やろうやろう!)と盛り上がり、
あっという間に、立ち上げとなりました。話が早すぎて、ちょっとびっくりです!
グリーンバードのスタッフの方も僕のお友達だったりして、不思議なご縁がありました。

7月の第二回目のお掃除が明日7月24日18時より星男集合であります。
ご興味のある方は是非ご参加ください。
手ぶらで大丈夫で、1時間ほどで終了です。

 

Profile

munehisa sakurada
TOKYO
fine artist

1993年にモデルとしてデビュー後、俳優、歌手、タレントとして活躍。現在は、美術家として国内外の展覧会に写真を媒体とした作品を発表している。2011年にART&MUSICBAR「星男」を新宿二丁目にオープン。

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