2010年、9月に私はゴールデン街ではじめて展示をしました。
今回も展示させていただくグリゼットで、6人の作家、石丸運人、ヴィヴィアン佐藤、河合政之、窪田美樹、斉藤ヨーコ、(敬称略)
私の「六法現象」という展示。
私は、この頃プライベートで大変な時期でもあって展示にかこつけて、作家の皆さんと毎日のようにゴールデン街で
酒を飲んでいた。この頃から、ゴールデン街とのより深いお付き合いがはじまったと思う。
このときのキュレーションは、北村アラタ氏。
それより少し前から北村さんが、土日とゴールデン街のバー「銀河系」で働いていたのもあって、(今でもやっておられます)
何かがあるなしでも、ゴールデン街に足を向かわせるようになっていました。
そこで出会った沢山の方との幾夜にも渡る、話の数々、時には言い争いになって喧嘩したり、
また仲直りしたりと、コミュニケーションを必要としていた私にとってこの全てが必要であったし、
その後、また深い付き合いとなる方との思い出も重ねることになった。
2010年、10月には真珠子、あや野、私で「伝説のドラゴン ピッサユー」というグループ展を開いた。
この場所も、グリゼットでした。
2011年の3月に震災があり、その頃それまで作っていた作風ががらっと変わってしまった。
震災がそのものの理由ではないと思いたい気持ちもあって、調度その頃に自分の心境も少しずつ
変化していたのも重なったのもあったのだと思いたいが、特別な心境の変化が起こったのは事実だ。
その年に作った作品は、生活の中でのスナップショットがテレビの砂嵐の様に破壊されてしまう
イメージになっていた。
その年、原発の影響で毎年楽しみにしていたお花見を自粛する気持ちが本当に悲しかった。
原発が爆発した映像を見たこと、津波の映像をいつまでも見てしまう自分がいたこと、
今起こっていることが、本当のことなのにあまりにとてつもなくて、我を見失ったこと。
余震にも、慣れていく自分。
2012年の春が来て、私は櫻を撮っていました。
2011年から、私の作品では私が命名した「Linegraphy」という技法を使って作品を作っています。
これは、撮影したものをデジタル処理の段階で一度線にしてしまうというもの。
あらかじめある、モノに対しての意味を一度外して、
全てを同じ線として定着させる。
これは、私がこれまで作ってきた作品の意図をそのまま表していると感じ、
取り入れることにしました。
自然や、人間、あらゆる価値観を、一度同じラインで感じ、
そこから物事を見たいという思い、人間だけがこの宇宙の中で
特別なものではないという思いからきています。
固定概念から、一度離れて私の視点でフラットに物事と関わりあいたい。
それはあらゆる社会への視点を、有機的に変える私なりのやり方なのです。
桜シリーズより
櫻田宗久展 in ゴールデン街
グリゼット&pitou 共同開催
「櫻、幻」
■開催期間 2013/9/14~9/28
9/14 オープニングパーティー atグリゼット(18時より)
21時~ 松井優子ライブ
9/28 クロージングパーティー at pitou (20時より)
21時~ ソワレライブ
[グリゼット]では「櫻」のシリーズを展示しております。
[pitou] では幻(まぼろし)のシリーズを展示しております。
■作品について
櫻
アニミズムの国で、私達は春になると桜を愛でる。
この国ならではのこの春の行為を通して私達は自然に神を見て、それと一体化する。
デジタルの手法で、グラデーションに沿って一様に線になった桜は、
私と寄り添い私と一体化する。私は桜と何も変わることはなく、同じ線の世界に存在している。
そしてそれは祈りの行為でもあるのだ。
(2011年未発表作品)
幻(まぼろし)
水に映る世界を夢中になって見ていた。
水中の中の世界、目の前に聳え立つ物たち、そしてそれが映る水面。
いくつもの次元が私にこの世界の秘密を教えてくれる。
水鏡は、風によって形を変えていく。
私が見ている世界は、このようなものなのかも知れない。
形があるようで、本当はそれは私が見る幻(まぼろし)の世界だと。
(2013年作品)
■開催場所
グリゼット (櫻)
新宿区歌舞伎町1-1-5
ゴールデン街・まねき通り
オープニングパーティー 9/14(土)18:00~ ¥1000/1drink
平常営業:チャージ¥1,000 ドリンク¥500?
※バーでの展示になりますので、オーダーをお願いします。
日曜/祝日休み 18時オープン
pitou(ピトゥ)(幻)
新宿区歌舞伎町1-1-7
ゴールデン街・花園五番街
03-3208-5405
日曜休み 20時オープン
クロージングパーティー 9/28(土)20:00~ ¥1000/1drink
平常営業:チャージ¥1,000 ドリンク¥800
※バーでの展示になりますので、オーダーをお願いします。