星男で、海老原靖さんと杉原洲志さんの展示がはじまりました。
今回は、海老原さんからお話を頂いて実現となったのですが、
とても素晴らしい展示になってます。杉原さんはデザインを中心に活動してこられ、
今回は、ビジュアルブックの中からの展示です。
海老原さんは、今までペインティングを中心に活動をしてこられました。
今回は、写真作品と絵画の展示です。
crusingは海外のゲイ雑誌での発展場写真にヒントを得ているそうで、
マコーレーカルキンに扮した、海老原氏が森の茂みの中で裸の男性と共に
写っています。マコーレーカルキンに扮しているという点で既に
現実ではない何者かになっており、ホラー映画の様な薄気味悪さを感じます。
そして、マコーレーだけが必ずカメラ目線でこちらを向いており、
この発展場での行為を写すという事を意識的に行っているように思えます。
作品の中では写真を撮る行為とマコーレーが共犯関係にある、
それは、作品を作る海老原とマコーレー(海老原)が鏡像関係になっているともいえ、
海老原氏はこの三面鏡の様な世界の中で私達に何を伝えているのでしょうか?
この三面鏡の様などこまで行っても果てしなく続く私というものに、
ナルシシズムという言葉のはじまりの物語を思い出しました。
水面に写った自分の顔に恋をしてしまったナルキッソスのお話です。
しかし、ナルシシズムだけでは勿論ないように思います。
マコーレーがこちら側(鑑賞者)を見ているという点ではどうでしょうか?
マコーレーが子役時代に活躍した映画の中ではいつまでも子供のままです。
その頃のマコーレのイメージを海老原は作品に投影しています。
最近のマコーレーはドラッグ関連のニュースがありましたが、多額のギャランティを巡って
両親に翻弄された子役時代のマコーレーというのは、親からの影響をそのまま受けてきた
私達の子供時代ともいえるのではないでしょうか?
そのマコーレーが子供の顔のままで、大人の男性の身体についていて、
ゲイの発展場にいる。ゲイの発展場などや、セクシャルに関連する場所などは
不謹慎だとよく聞かれますが、マコーレーが子供時代に受けてきたものは、
家庭の中で密室に行われてきたもので、決して不謹慎だとは思われない場所です。
しかし、実際にはそこは多くの傷をうける場所であった。
作品の中で笑っているように見えるマコーレーカルキンがいる場所が、
いくつかのステップでタブー化される場所となる。
そのタブー化について、思いを巡らせています。
“cruising”
…海老原靖 & 杉原洲志
会期
9月1日(土)~30日(日)
月曜日~木曜日、日曜日 20:00~02:00
金曜日、土曜日(祝日前)20:00~05:00
オープニングパーティー
9月8日(土)20時~
charge 600円
ドリンク 700円~
@BAR星男