世の中には視覚的に素敵!と、瞬間的に感情のボルテージが一気に高くなってしまう対象があるけれど、じわりじわりと心を揺さぶるような何かがまるで波のように押し寄せてくるような…そんな素敵!を感じる世界がある
〝BULY〟がまさしく、それ。
先月末に訪れた代官山のビュリー。
一歩足を踏み入れた瞬間、その空気感に圧倒されしばらく立ちすくんでしまいました。
18世紀後半、香水と香り酢の魔術師と知名度の高かったジャン=ヴァンサン・ビュリー
お肌をはじめ、全てを浄化し魅力のさらに上の魅力までを自然に纏える、そんな感じのブランドでしょうか。
代官山といっても家々が並ぶとっても静寂なエリア。
階段を何段か降りたらビュリーがあります。
圧倒的と思ったのは、その商品達だけでなくインテリア。
後ほどゆっくりご紹介しますね。
さてさて、これは〝水性香水〟の「オー・トリプル」。
え、〝水性〟⁉︎と驚く方も多いと思いますが、BULYの香水(パルファム)は、アルコールをまったく使用していません。
お肌に刺激を与えない、また自然由来の香りを最大限に活かす、というのも大切なポリシー。
つけた瞬間から、まろやかに本来の香りを感じとる、まるで本能のベクトルがそこに集中してしまうかのような12種類の香りたち。
この乳白色のボトルにアンティーク調のキャップがとってもお洒落なんです。
ここで、素晴らしいお話を1つ。
なんとビュリーが「香りのミュージアム」と称してあのルーブル美術館とのエクスクルーシブなコラボを成し遂げました。
なんか、それだけでドキドキしません?
フランスの著名な調香師たちが、ルーブル美術館所蔵の代表的な美術作品にインスパイアされた、その香りを実際に再現する、という香りが好きな方はもちろん、美術のお好きな方も高揚する傑作が出来上がっていました。
美術は奥が深く、そして香りもそれに通じ、目を瞑って嗅ぐと絵のタッチ、描写までが瞼の裏に投影されるかのようで、毎日の殺伐とした日々を猛省。
この優雅な時間を、代官山本店で体験できるなんて…と、時を忘れて没頭してしまいました、笑
ビュリーは香りを独特でアーティスティックなガラスの器具で試します。
シュポシュポとシリコンの部分をプッシュ。
ふわふわっと香りが舞い上がり〜うっとり。
8人の調香師による、8通りの香り、そして8の美術作品はどれもがドラマティック。
例えば「ミロのヴィーナス」は調香師ジャン=クリストフ・エローが担当し、芳醇なマンダリンと繊細なジャスミン、アンバーといったミロのヴィーナスからこうなったんだ!!!と感嘆しながら陶酔。
「ニンフとさそり」は調香師アニック・メナルド。
ムスクとアンバー、ジャスミンとヘリオトロープといった女性の柔らかな身体のラインさえも想像させる色っぽさ。
私は「サモトラのニケ」を選びました。
調香師はアリエノール・マスネ。
神秘的なミルラ、チュベローズとマグノリア、コンフォートするようなジャスミンが、自分の内側から浄化されたような、そして昇華するイメージ。
来年の1月にはParisのルーブルでは終わってしまうみたいですが、日本では少し先まで購入できるのかな。
この素晴らしい期間限定のコラボレーションは美術作品を浮かべながら纏う、という崇高な感じです。
BULYの世界は届けられた箱、中のボックス、ラベルまでがそのものを感じることができ、慈しむ気持ちが湧きあがります。
私がかなりボトルやボックス、缶フェチなので美しいものは絶対取っておくタイプ。
なのでお部屋は大変(笑)
元々デザイナーだったので、何かに参考に、とつい思ってしまうのです。
届けられた箱1つとっても素敵じゃない?
そうそう、BULYは色々なカスタマイズサービスがあるのも魅力。
カリグラフィーで文字入れしてくれるなんて!
来年は時間とって習得したいのがカリグラフィー。
カードとかにサラサラと書くって素敵じゃない?
あとね、イニシャルの刻印もあるの。
このサヴォン・スーペルファン(中性石鹸)に希望するイニシャル刻印が❤️
17世紀の印刷専門彫刻家のフランス人、シャルル・マヴローによるデザインの独特の文字は、とてもエレガントでフランス王室の所蔵物などにも刻印されています。
石鹸なので身体を洗うのはもちろんなのですが、ランジェリーのタンスの引き出しにしのばせても。
たしかボックスも選べるのかな。
コレクションにしたいくらい美しいのです。
他には、アセテートの櫛や歯ブラシにもイニシャル、名前、メッセージなども刻印(刻印は有料)してくれる。
アセテートの櫛って、今みてもクールなカッコ良さある。
ただ、ビュリーのは植物由来のアセテートでした。
一本一本、丁寧につくられた櫛たちはベルベット調ケースが付いていて、男性にギフトしても喜ばれそうですね。
標本のように虫ピンでプライスカードを留めるのもどこかビュリーっぽい。
そんじゃそこらの歯ブラシじゃないわね。
使えないー笑
これね、拓殖じゃないの。みねばり、なのね。
日本、信州・長野県産。
きめが細かく、硬く丈夫な〝みねばりの木〟が職人の匠技巧にかかると、逸品。
大切に継承したい日本文化です。
BULY 代官山本店では、日本に訪れた時に感銘を受けた様々な日本製もあり、かえって私たちの気づきを煽ってくれます。
このブラシたちも卓越された職人ならでは。
極上の柔らかさ〝Suve〟(日本製)
精密すぎる毛の丸み、入念に選び抜いたヤギとリスの毛です。
ドライブラシとしても。古い角質を落とし滑らかな肌にしてくれてクセになりそう。
代官山本店は創りがユニークで、現代と19世紀、振り向いたら現代、こちら側は19世紀!という摩訶不思議な体験ができます。
それもそうと、この棚なども18世期末から19世紀初頭にフランスで生まれた美容品の黄金時代がそのまま。
昔ながらの薬局みたいな感じしませんか?
秤も真鍮!
こちらは植物オイル。世界各国のさまざまな地域で採取されるオイルは、ビュリーが産地を訪ね歩き、美容品としたら間違いない価値のものだけを提供しているそうです。
言わば〝太鼓判〟的な存在のものしか無い、ということですね。
原液のままでも、薄めても自由に。またボディにも髪にも使えオールマイティなのも特徴的。
こちらはパウダー類。
マスクやスクラブを究極なシンプルステップでのご提案。
自然由来はもちろんのこと、本格的なスキンケア、リラックス&デトックスも期待できるとのこと。
顔に数滴のオイル、少量のイオナイズド・クレンジング・ウォーターなどで混ぜ合わせパックにしたり…。
入浴剤として使えるものもあり、身体のむくみなどにも効果ありそう〜
さて、話は少し戻り、ここのインテリアのお話に。
これね、外から見たところ。
そして中からは…
こういった創りになっていて、ビュリーが集めた草木、花がアクリルで固めてあり何ともいえない幻想的な美しさです。
なんと!!!!、何トンもあるんですって!
そしてタイルの存在感がまた惹きつけるパワーが半端ない
美しいですね、このブルー。
この継ぎ目わかります?
日本の〝金継ぎ〟のようなイメージなんですって。
このコンクリートを塗れる職人を探したそうです。なめらかでデザイン性の高い美しいコンクリートは、まるで作品のよう。
商品が際立つ美しいコンクリート。
また大理石も、このブランドのクリエイションを感じる重厚さ。(重いですよ、笑)
こちらはフレグランスキャンドル。
鐘形のはガラスドームで埃や不純物を防いでくれます。
植物由来の蝋は、米、大豆、ヤシオイルなどの成分。フレグランスは全部で7種類。
それぞれ天然の大理石なので柄の出方も違い、どれが自分の好みかなぁ、なんて選ぶのも楽しいですね。
他に、あ!これ見たことある!とこのブランドのアイコンみたいなハンド&フットクリーム。
エッセンシャルオイルがふんだんに使われ、メンズの方にも大人気だそう。
こちらも迫力があるスネーク。
日本でもじわじわきてますよね、オーラルケアです。
ビュリーのオーラルケアは全部カステラ・ヴァルデュザン温泉水が配合され、硫酸塩(サルフェート)が豊富なので歯周病などの治療にも使われているそう。
スネークはヨーロッパでは守神とも言われますよね。
この手前の白のボトルはミントティーフレーバーのマウスウォッシュ。
他、デンタルペースト、デンタルフロスなどもありました。
リーズナブルで人気の高い、紙ソープ(40枚 1,000円+tax)や、フレグランスマッチ(全8種 2,500円+tax)なども。
私はフレグランスストーンなんか、急なプレゼントなどに目をつけてる。
これは「アラバストル」という名前。
香りを閉じこめる、なんてちょっぴりときめきません?
紋様が描かれた白磁容器に、多孔性の石、そこに香りの高いエッセンスを数滴。
旅先の枕元に蓋をずらして置くだけでエレガントな気持ちになれる。
美容って実用だけじゃなく、夢をもらいたい。。。
代官山本店は麗しい体験ができるので、是非覗いてみて。
東京都渋谷区恵比寿西1丁目25-9
+81 3 67 12 76 94
11:00〜20:00
今年2019年のラストブログになるかな。
新しい年、2020年もよろしくお願いいたします。
では、またね★美香