最近の私の中のスターはこの間メジャーデビューしたばかりの26歳のミュージシャン、大森靖子ちゃんなのですが、そのデビューライブに10月上旬、2日連続で行ってきました。
その会場が東京キネマ倶楽部という鴬谷にあるレトロなダンスホールだったのですが、鴬谷……これは街活のチャンス。
何か用事がある先で少し早めに行って周辺をウロウロするのも、プチ街活の極意です。
もともと私は時間ギリギリかちょい遅刻で現地に着くタイプなのですが(なぜか?と問われればうまく答えられないのだが、「余裕を持って行動」って何かつまらない感じがしてあまり好きじゃなく、「やっばー…」という状況からの起死回生!みたいな瀬戸際感が引き起こすダイナミズムが好き……とか言うと相手にものすごく失礼な話だが…本音を言うとそういうところがある 爆)、街活がマイブームになってからというもの、せっかく足を踏み入れる地なので散策したく、早めに行くようになりました。
これが街活好きになったことの効用の1つですね。人に迷惑を掛けなくなった(何を言っているんだ)。
それで、この日17時頃鴬谷に降り立ったわけですが、駅のほど近くから垂涎を誘うにおいをあからさまにモクモクとたててくる店が……
店先で焼くなんて……ずるい。あけっぴろげすぎるのが、ずるい。
ここはいっちょライブ前に1杯ひっかけていこかと、勇気を出して人生で初めて立ち飲み屋に一人乗り込む決意をしました。
でも、システムがよく分からない。
できれば店の中に入らず、店の外テーブルでベテランに混じって1杯やりたい。
こういうとき、知ったかぶりせず「どうすればいいんですか?」と素直に聞けるところが私の長所ですね。
飲み物は普通にお店の人に注文して、焼き鳥は好きなものを店先のところから好きに取って、お会計のときに串の本数をお店の人に計算してもらえばいい、というシステムだそう。
教えてくれた常連らしきおじさんが「まあ、好きなだけ飲んで食べていきやアハハ」と笑顔で受け入れてくれました。
焼き鳥は1本70円。安っ。
でもビールは500円。そこでバランス取ってるんだろうな。
1人外テーブルで黙々とモグモグやってたのですが(写真、手前のビールと串が私の)、隣にいたご夫婦が「あそこの東京キネマ倶楽部ってどういうところなのかしらね」という会話をしていたので、これは好機とすかさずちゃっかり話し掛けました。
「私、今日そこにライブを観に来たんですよ」
そこから会話が弾み、今日は映画を観に行った帰りだということ、京成線の堀切菖蒲園駅が最寄りだということ、娘さんが私と同じ阿佐ヶ谷に住んでいるということ、もう定年を迎えたが会社員時代によくこの店に来ていたということ、定年後の生活の楽しみとして早めの時間からここに2人でときどき来るということ、近くの入谷鬼子母神でもうすぐ酉の市があるということ、焼きたての串をパッと取りに行くには焼いている姿が見える外テーブルのこの位置がベスポジだということetc…などいろいろ聞き出しました。
「1本70円だから今どのくらいなのか計算しやすいのもいいよね」とも言っておられ、なるほど、と私もそれをちょっと意識して1000円以内におさめてお会計しました。と言っても十分お腹いっぱい。
そうそう、求めていたのはこういうことこういうこと。
こういうところに出入りして面白いのって、その地域に住む人たちからその土地の話や普段の生活の話を聞けること。地域文化を知れること。ですね。
18時が近づくと「時間大丈夫?」と私の予定を気にしてくださり、「お話に付き合ってくれてありがとうね」とライブに送り出してくれました。いえいえそんな、こちらこそありがとうございました。
ちなみに、このお店は「ささのや」という、TVでもよく取り上げられるらしい有名なお店みたいです。
で、ライブは2日連続だったので、2日目はもっと早い15時半くらいに現地に到着し、鴬谷にほど近い入谷を散策。
歩いているうちに根岸という地名になり、しだれ柳が並ぶ風情ある町並みを発見(あとで調べたところによるとここは花街だったらしい)、さらに歩いていると台東区から荒川区に変わり、日暮里近くまで行きました。
夕暮れ。
で、根岸付近で発見したのがこの店。
……50円!?
「ささのや」より安いし!
やっぱ駅からちょっと離れてると価格も下がるのか?
ここ、めちゃくちゃ入ってみたかったんですけど、17時オープンだし入ったところで待ち合わせ時間に間に合わなかったらアレだしな……ということで断念。街活続行の道を選びました。
今から思えばちょっとしか滞在できなくても入っとけば良かったな。
柳通りの景色もすごく雰囲気があったからもっと写真撮っとけば良かったしな……こういうのって、一期一会だな。
今度からは、撮り、食い、悔いを残さず…という方針で。
私の街活道はまだまだこれからです。