ライアン・マッギンレー「ありのままの体に対して賞賛を表現したい」 | Numero TOKYO
Interview / Post

ライアン・マッギンレー
「ありのままの体に対して賞賛を表現したい」

初期作品から最新作まで自ら約50点を厳選した「ライアン・マッギンレー BODY LOUD!」開催。4度目の来日を果たした写真家、ライアン・マッギンレーにインタビュー。

ryan mcginley
ryan mcginley
2003年にホイットニー美術館で最年少で個展を開催。写真家としてのキャリアを華々しくスタートさせたライアン・マッギンレー。ヌードの被写体を大胆かつ躍動的に切り撮る作品は、時間の経過を感じさせないフレッシュさと勢いを放ち、人気はデビュー当時から今までとどまることを知らない。 まさに“今までに見たことのない”写真 ──来日のきっかけとなった今回の展覧会「BODY LOUD!」のコンセプトについて教えて下さい。 「この展覧会は、過去15年間の代表的な作品を選んだ。2000年の初期作品から、04年から10年間撮り続けた『ロード・トリップ』、08-10年のモノクロのスタジオポートレート、この6年間進行中の『イヤーブック』シリーズなど…最新作の『ウィンター』までね。『イヤーブック』の写真は今でも撮り続けているスタジオポートレート作品で、2、3ヶ月前に撮影した最新の写真を展示しているよ」 ──「BODY LOUD!」のタイトルの由来について教えてください。 「どこから思い浮かんだかは覚えていないのだけれど。僕は人のヌードとエモーショナルな部分を撮り続けているから、音楽に関連性があるものがいいと思った。ラウドミュージックのような勢いを体で表現しているとう意味合いが込められているよ。4文字ずつで響きもよく、ロゴのようでとても気に入っているんだ」 ──展示作品の中で、一番印象に残っている作品について教えて下さい。 「最新作の『Winter』シリーズをとても気に入っているよ。氷河やツンドラ地帯にも見える、壮大な景色に裸のモデルが佇んでいて、まさに“今までに見たことのない”写真。アダムとイブの神話のような荘厳な雰囲気も感じとれると思う。これまでに見たことがなく、でも見たいと思うものを写真におさめることが、僕にとってはとても大切。キャリアを通じて挑戦していることなんだ。この撮影は、長い期間リサーチを続けてようやく実現したプロジェクト。撮影場所の近くにサウナテントを作り、モデルの体を十分に暖まらせてから撮影に臨んだんだよ」

Photos:Munehiro Hoashi Interview & Text:Yukino Takakura
All Works:©Ryan McGinley Courtesy the artist and Team Gallery,
New York / Tomio Koyama Gallery, Tokyo

Profile

ライアン・マッギンレー(Ryan McGinley)写真家。1977年アメリカ・ニュージャージー州生まれ。2000年にパーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業。NYダウンタウンの若者たちをリアルに切り撮る『The Kids Are Alright』がアート界、ファッション業界で注目を浴び、03年にホイットニー美術館で25歳という最年少で個展を開催。写真家としてのキャリアをスタート。ヌードを被写体として展開されるポートレートや、田園風景写真など、新機軸を生み出し「アメリカで最も重要な写真家」と高い評価を受ける。

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