Culture / Interview

ライアン・マッギンレー
「ありのままの体に対して賞賛を表現したい」

初期作品から最新作まで自ら約50点を厳選した「ライアン・マッギンレー BODY LOUD!」開催。4度目の来日を果たした写真家、ライアン・マッギンレーにインタビュー。

アートとスケートボードと音楽は欠かせないもの

──ご自身の作品のオリジナリティについてはどのようにお考えですか?

「スタジオでのポートレート撮影でさえ、作品を見て、すぐに写真家を思い浮かべられるようなオリジナリティを表現することは絶対に必要なことだよね。僕の場合は、まずモデルが裸姿であること。躍動感があり、エネルギーを感じられること。雄大な風景が広がっていたり、少し危険を孕んでいて、ミステリアスなところ。鮮やかなカラーパレットも特徴だと思う。それぞれがチェックリストの項目と考えて、それらがチェックされれば、見た人はきっと僕の写真だって思うんだと考えているよ」

──幼少期の頃について教えて下さい。

「幼い頃の僕にとって欠かせなかったのは、アートとスケートボードと音楽かな。アートはセラピーみたいなものだよね。僕もアートに救われた。両親や周りから理解されていないと思うことは、幼い頃ならどんな人でも抱く感情なはず。特にアーティストにとってはね。僕もニュージャージーの小さな町で育ったから、学歴など周りの評価がとても嫌に思ったことがあった。でもアートが一つのはけ口となり現実逃避させてくれたんだ。絵画でも写真でも音楽でもなんでもいいと思う。現実を忘れられるようなクリエイティブな活動はとても大切だよ。年齢を重ねるごとに、それを通してコミュニティを得ることもできるんだから」

──スケートボードについても教えてください。

「学生の頃に親しんでいたスケートボードは自分にとってとても重要で大きな経験。僕は白人が多く住むエリアで育ったんだけれど、スケートボードをしにニューヨークシティのダウンタウンに行くようになって、あらゆる階級のさまざまな人種の人と関わることができたんだ。色々な人が集まって1つのコミュニティを作っていて、まさに世界を知ったような感覚だったよ。それにスケートボードはストリートでやるものだから、街を行き交う人々を見ていることができた。とても面白かったよ」

──音楽についてはいかがでしょうか?

「音楽は大好きで、いつまでも僕の人生に欠かせない。楽器をプレイすることはなかったけど。色々なジャンルを聞いてきたよ。若いときは、ガンズ&ローゼスに夢中だったんだ。初めてのライブも11歳の時にいったガンズ&ローゼスのライブだった。母にライブ会場まで車で連れて行ってくれるように頼んだんだけれど、会場ではクールぶって、一人で前の方に行き、遠くで待っていてもらったりしてね(笑)。10代の頃はグレイトフル・デッドのショーにもたくさん行ったよ。フガジなどパンクミュージックも好きだった。それからパーティやレイブに行くようになって、ダンスミュージックにもハマった。他にもモリッシーや、ベル&セバスチャン、アダム・スミスなど…挙げだしたらきりがないね。カニエ・ウエストとかヒップホップも好きだし、最近聞いているのはリアーナのアルバムかな。バンドだとパーケイ・コーツやザ・プリティオッツも好き。もちろん仕事の時もずっと音楽をかけているよ。撮影用に色々なプレイリストも用意していて、モデルを上げるものや落ち着けるものなど撮影によって選ぶんだ。テンションを上げて飛び跳ねてもらいたかったり、もっとチルな雰囲気で臨みたい時などね。ムード作りに音楽を使うよ。だからライブやミュージックフェスティバルでの撮影も、素晴らしいものになるんだ。生演奏を思い切り聞けるんだから」

Photos:Munehiro Hoashi Interview & Text:Yukino Takakura
All Works:©Ryan McGinley Courtesy the artist and Team Gallery,
New York / Tomio Koyama Gallery, Tokyo

Profile

ライアン・マッギンレー(Ryan McGinley)写真家。1977年アメリカ・ニュージャージー州生まれ。2000年にパーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業。NYダウンタウンの若者たちをリアルに切り撮る『The Kids Are Alright』がアート界、ファッション業界で注目を浴び、03年にホイットニー美術館で25歳という最年少で個展を開催。写真家としてのキャリアをスタート。ヌードを被写体として展開されるポートレートや、田園風景写真など、新機軸を生み出し「アメリカで最も重要な写真家」と高い評価を受ける。

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