「二人が写真をはじめたルーツとは?」写真家・操上和美×永瀬正敏 スペシャル対談 vol.1 | Numero TOKYO - Part 2
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「二人が写真をはじめたルーツとは?」写真家・操上和美×永瀬正敏 スペシャル対談 vol.1

K:温度とか湿度に敏感で、撮った後そのまま太陽の下で色が出てくるのを見ていると色の変化が早すぎて思うようにいかなかったりもしました。だから、撮ったらすぐに乾燥剤を入れたバッグに見ないでいれてしまう。どんなものが撮れているのか、しばらく見ない。時間がたってからどうなっているのか確認すると、じわじわと色が浮き上がってきていて、さらにその後も腐食を続ける。写真って大抵忙しいんですよ。なのにこれに関してはこんなに時間つぶして大丈夫かなって心配になったほど待つ時間が必要でした。その時間を逆手にとって、こういう展開になったんですね。永瀬さんも来年、ここで展覧会をやるそうですね。
N:次のプロジェクトに参加させていただきます。さっき打ち合わせをしたばかりだし、このフィルムの特製とか魅力を見極めている途中ですよ。昔一度、操上さんが居るところで写真を撮って、それを見て頂いたことがあります。こういう感じで撮りたいんです、という希望を伝えて、その理想を狙って撮影してみました。撮ったものを一緒にセレクトして頂いたのですが、最初に狙っていた構図よりも、意図していなかったものがよく見えてくるんです。結局、構図だったり色味だったりトーンだったり、全く違うものを選んでしまいました。インスタントフィルムは、その感覚に近いんじゃないかな。狙ったものとは違うんだけどすごくいい、というハプニングを体験できるもののようですよね。
K:このフィルムを使うとある種、潔くなる。普段の撮影って、色やフレーミングがどうとか、ある程度自分の狙ったところにいこうとするじゃないですか。でもこれはそれがハンドリングできない。そして、自分の予期しないところに行くからこそ発見がある。遊ぶって表現すると変かもしれませんがまさにそんな感じで、自由。このフィルムはまだまだ品質や色の出方も変わっていくらしいので、また雰囲気が変わるかもしれませんね。
N:どういうテーマにしようか、楽しみです。
ーー操上さんと永瀬さんは同じSX-70を使われているんですよね。
K:SX-70はアンディ・ウォーホルが愛用していたカメラ。ポートレイトを撮影するのに使ったり、それを元にシルクスクリーンを作ったりしていたそうです。簡単に撮影ができて、撮った瞬間にプリントが出てくる。そしてその出力のされ方もおもしろい。写真を撮っているっていう実感が湧きやすいカメラですよね。
N:僕はSX-70と、SX-690を使っています。SX-70は操上さん監督の映画『ゼラチンシルバーLOVE』に出演させていただいたとき、共演した宮沢りえさんから最終日に頂いたんです。未だにそれを使わせて頂いているので、展覧会用の写真もこれを使って撮影しようかと。
写真家・操上和美×永瀬正敏 対談
写真家・操上和美×永瀬正敏 対談
Photo:IMPOSSIBLE Styling:Yasuhiro Watanabe(FEMME) Interview: Hisako Motoo Edit:Maki Saito Text:Yukiko Ito

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