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Culture Post

「二人が写真をはじめたルーツとは?」写真家・操上和美×永瀬正敏 スペシャル対談 vol.1

インスタントフィルムを世界で唯一製造している会社、IMPOSSIBLEが手掛けるギャラリー、Impossible Project Spaceにて、2012年9月21日(金)から10月14日(日)まで写真家、操上和美の展覧会「a trip in death at my house 私の家の死を彷徨う旅」が開催された。この展覧会を記念し、永年の知古であり操上氏の初監督映画「gelatin silver love」(2008)で主演をつとめた俳優、永瀬正敏氏を会場に迎え、写真を巡る対談イベントが行われた。2人の熱い写真談義を3回に分けてお届けします。
操上和美 写真展「a trip in death at my house 私の家の死を彷徨う旅」
K:展覧会をやることが決まってから、インスタントフィルムで撮りはじめる前にここ(IMPOSSIBLE PROJECT SPACE)に来ました。これまでに展覧会をやってきた人の作品を拝見しに。そうしたら、想像していたものと実はすこし違っていました。僕たちが知っているインスタントフィルムって、長い間使ってきた大好きなコンパクトカメラで撮影したもの。写りはクリアで、一度完成したら、その後色が変ったりしない。そんなコンパクトカメラががなくなって新しくできたものが今回使ったフィルムなんだけど、これがクリアではなくて、しかも色の進行が遅い。質が悪いという意味ではなくて、写真を撮ってから時間がたっても、色が変わっていく。
N:撮ってすぐはものすごく真っ青ですよね。これには驚きました。そこからじわじわと変化してくるってことですね。
K:この進行の度合いが掴めなくて、はじめは戸惑いましたよ。でも、それが逆に面白いかなと思いはじめて「a trip in death at my house 私の家の死を彷徨う旅」というテーマを決めました。今回被写体にしたのは、誰の家にもあると思うんですが、亡くなってしまったおばあちゃんや大好きだった人たちの写真だったり、新聞に載った事件だったり、一度そこで時が止まっているもの。そういうものをスクラップしてこのフィルムで撮ることによって、過去になっていたはずの写真が生き返るんですね。普通のフィルムだとまたそこで時間がとまるんだけど、このフィルムはじわーっとかすかに時間が動いていく。しかも、腐食の割合とか色とかが、どこに行くのかわからない。これって生きている肉体と一緒ですよね。生きているということは腐食していくこと。この、肉体の進行形と写真の腐食が似ていると思いコンセプトをたてて、古い写真を引っ張りだしてきて複写しました。そう考えるとおもしろくて。
N:僕はこのフィルムに挑戦したばかりで、まだ面白いと言える程の到達点に行けていないですね。ただ、過程を味わうということの楽しさは分かる気がします。
操上和美:すべて本人私物
永瀬正敏:プルオーバー¥37,800/UNDERCOVERISM( UNDERCOVERISM/03-5778-4805) ベスト¥82,950、パンツ¥87,150、ブーツ¥141,750/すべてANN DEMEULEMEESTER, ネックレス¥29,400/TAKAHIROMIYASHITATheSoloIst., バングル(右)¥124,950、(左)¥135,450/ともにCody Sanderson for TAKAHIROMIYASHITATheSoloIst.(すべてPred PR/03-5428-6484)
Photo:IMPOSSIBLE Styling:Yasuhiro Watanabe(FEMME) Interview: Hisako Motoo Edit:Maki Saito Text:Yukiko Ito

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