「二人が写真をはじめたルーツとは?」写真家・操上和美×永瀬正敏 スペシャル対談 vol.1 | Numero TOKYO - Part 3
Culture / Post

「二人が写真をはじめたルーツとは?」写真家・操上和美×永瀬正敏 スペシャル対談 vol.1

永瀬正敏、写真家だった祖父のDNA
K:永瀬さんって、すごく写真が好きですよね。好きの度合いで言ったら、僕よりも好きなんじゃないかな。
N:気づくと毎日撮っていますね。好きです。でも、そんなに出ていますか?
K:僕は仕事で撮っているから、好きとか嫌いとか関係ないところで撮影しているわけだけど。永瀬さんの写真の撮り方って結構激しくて、情熱的というか。先日、写真家だったという永瀬さんのおじいさんのことがテレビで放映されていたのを見ました。おじいさんが写真を撮ってたって事実は昔から知っているだろうし、影響を受けているのも肌で感じているだろうし、でもその番組は、もう一度そのことを見つめるといった内容でした。そこでおっしゃっていたのが “もっと写真が好きになって、もっと写真が撮りたくなって、どんどん写真家になっていきそうだ”と。血が騒いだんでしょう。
N:そうですね。そもそも、じいちゃんのことがものすごく好だったというのもありますね。
K:確かに、映画を撮っているときも、現場でおじいさんの話をしていた気がする。
N:じいちゃんっ子でしたから。ひとつの後悔は、写真を撮らなかったことですね。たった1枚でも撮っておけばと、今になって思います。あの番組では、じいちゃんは志半ばというか、終戦後の混乱の中、騙されてカメラを持って行かれてしまいやめざるをえなかったという事実を改めて認識して。そこを受け継ぎたいというか、より続けたいという気持ちになったのは確かでした。
Photo:IMPOSSIBLE Styling:Yasuhiro Watanabe(FEMME) Interview: Hisako Motoo Edit:Maki Saito Text:Yukiko Ito
▶ 次のページへ

Profile

Magazine

JUNE 2024 N°177

2024.4.26 発売

One and Only

私のとっておき

オンライン書店で購入する