よくお世話になっている山内祥太君が個展を開催するとのことでお知らせを~
山内君はまだ若手なのですが、若手に見えない大人っぽい作品を作る子で、期待のホープと噂されています。いつも映像を中心とした作品を展開しているのですが、バーチャルな世界にもう一つの現実空間を作ってるような、どこが本物なのかわからなくなっていくような作品で面白いです。
山内祥太 「恐怖の回り道」
会 期: 2017年07月22日(土) – 2017年08月20日(日)
休館日: 7/24・31、8/7・14
時 間: 11:00 – 19:00
入場料: 無料
主 催: 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 育成支援課
会 場: トーキョーワンダーサイト本郷 Googleマップ
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オープニング・イベント | 7月22日(土)16:30-18:00ゲスト|中野仁詞氏(公益財団法人神奈川芸術文化財団/ヨコハマトリエンナーレ2017 キュレーター)
アーティスト・ステイトメント
“恐怖の回り道”という映画を観た。 スクリーンプロセスを用いて撮影された、車のシーンは僕を映像の世界へ引きずり込んだ。 ハスケルの車に同乗した主人公アルは、急いで恋人に会いにハリウッドに行きたいようだが、車の中では彼を妨げる事件がこの期を待っていたかのように幾度もなく起きる。 ハスケルが死んだのは仕組まれた罠だ! アルよ。お前はハスケルとヴェラにだまされたのだ。あのタイミングで警察が来たのも、警察がお前とハスケルを見間違えたのも全部造られたお話だ。 アル。きみだけが知らない現実だ。
この映画を観た数日後、僕は友人Aを誘ってドライブに出かけた。僕は運転ができないので、助手席に座った。 何の変哲も無い国道16号を走る車の中で、僕は何か面白いことが起きないかと淡い期待を抱ていた。 見慣れたファストフード店とガソリンスタンドが軒を連ねる景色が流れてゆく。 もちろん何も起きなかった。友人Aもこれといって面白いことを話をしなかった。覚えていることはビートルズのDon’t Let Me Downが虚しくループ再生されていたことと友人Aの知り合いに対する愚痴くらいだ。
帰宅後、友人Aとのドライブについてふと考えていた。 僕が求めるドライブは何処にあるのか。どうしたら、アルに降りかかるような事件が起きるのか。 恐怖の回り道は何処にあるのと。 僕は車をじっと眺めた。車窓に反射して僕の姿が映り込む。 その時!!車は僕にこういった。 「車は移動手段じゃないんだよ。」 そう。僕たちのドライブにはスクリーンプロセスが足りなかった。 車は、車庫から一切動いてはいけないのだ。
山内祥太
Shota Yamauchi | やまうちしょうた
1992年岐阜県生まれ。2016年東京藝術大学映像研究科メディア映像専攻修了。主な展覧会に「Moths, crabs, fluids」(Koszyki Hall、ポーランド、2016)、「HORS PISTES TOKYO 2016」(Super Deluxe、東京)、「カオス * ラウンジ 新芸術祭 2016 『地獄の門』」(ROPPONGI HILLS A/D GALLERY、東京)、「トーキョーワンダーウォール入選作品展 2016」(TWS渋谷)、「WRO ビエンナーレ ECO EXPAND CITY 2016」(WRO ART CENTER、ポーランド)、「瀬戸内国際芸術祭 2016」(女木島、香川)、「Media Practice 2015-16」(東京藝術大学 横浜校地新港校舎、神奈川、2016)など。
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作品リスト→ https://www.youtube.com/playlist?list=PL74M7tqXJoL85Y8x0q5R6JL03UyZejvaJ …