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ディスカバー・ジャパン第二弾?! 観光大国ニッポンへの道[後編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.21
──レヴィ・ストロースはどんなところを回ったのでしょうか。
I「大阪万博の跡地にある民博(大阪民芸博物館)や、縄文時代の遺跡などですね。ちなみにフランスのジャック・シラク元大統領も縄文時代が好きで、以前フランスで開催された『縄文展』はシラクとレヴィ・ストロースが後押ししていたんですよ。縄文文化をきちんと評価していないのは日本人くらいではないでしょうか(笑)。今ブームの熊野や伊勢もマルローが半世紀前に激賞している。こうやって日本人が気づいていないところを外国人が高く評価している、という場合もあると思います」
K「そういえば、僕は歌舞伎を毎月観に行っているんですけど、意外にも歌舞伎座にはまだ中国人や韓国人がそんなに来ていないですね。中国語のイヤホンガイドが用意されたりはしているものの、建物の中ではあまり見かけません。ジョン・レノンやカールハインツ・シュトックハウゼンは歌舞伎や人形浄瑠璃も観劇していたそうで、ジョン・レノンは浄瑠璃を観た後、人形師と固く握手を交わして泣いたという逸話もありますね」
I「それから、バブル期には中沢新一さんや細野晴臣さんが日本のパワースポットを回った、『観光―日本霊地巡礼』というのもありました。戦争の危機とバブルの予感がないまぜになって、第二次“ディスカバー・ジャパン”がやってきているような気もします」
──さらに有名人が自分の出身地を応援するような動きもありますし。
K「テレビ番組でいえば、『秘密のケンミンSHOW』。これにB級グルメ、ゆるキャラ、アートでの町おこしなど、群発していたものが繋がり、さらにはミシュランが日本にやってきて、オリンピックが誘致されて。大きなムーヴメントの際には、一点突破型ではなく、複合型に物事が動くんですよね」
Photo(Portrait):Yuji Namba Text:Misho Matsue