全人類を魅了する、奥深き食の世界[前編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17 | Numero TOKYO - Part 2
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全人類を魅了する、奥深き食の世界[前編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17

菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17
菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17

俺のフレンチ KAGURAZAKA
住所/東京都新宿区納戸町12 第5長森ビル1階 
Tel/03-6265-3907
営業時間/16:00~22:45 [L.O.]
(土15:00~、日・祝15:00~ 21:30[L.O.])
定休日/不定休
菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17
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俺のスパニッシュ
住所/東京都中央区銀座8-3-12 第2銀座コラムビル1階 
Tel/03-6274‐6637
営業時間/16:00~22:45[L.O.]
定休日/12月中の日曜
菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17
菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17

俺のイタリアン KABUKICHO
住所/東京都新宿区歌舞伎町1-17-5 1階 
Tel/03-3208-6530
営業時間/16:00~22:30[L.O.]
定休日/不定休
──伊藤先生の現在の嗜好とは、たとえば何がお好きですか?
I「どんどん年をとったこともあるし、最近は台湾に行くことが多いんで、豆腐と筍ばかりですね。種類も多いし、水や土とも密接に関わっているものが好みですね。鶏を丸ごとゆでたものを添えたりしますが、向こうはどちらもおいしいんですよ」
K「確かに、台湾の筍はおいしいですよね」
I「30~40年くらいかけて、どんどん身体に負担のかからない食べ物にシフトしている気がします。菊地さんは以前、田中康夫の『なんとなく、クリスタル』に登場するレストランはほとんど消滅した、と仰っていましたが、東京だけなのか、お店の消長があまりに激しくて、たとえば30年前によく行ったレストランはほとんど残っていないでしょうね。いま流行っているのは、バルですか。イタリア系を凌駕しているんじゃないかな」
K「どこもバルだらけですよね。確かに外食産業は激しく動いています」
I「フレンチ、イタリアン、スパニッシュ、なんか10年ごとに大きく動いているような気もしますね。どんどん大衆化してるし」
──そういえば、『俺のフレンチ』や『俺のイタリアン』に続き、『俺のスパニッシュ』もオープンしましたが、『俺の〜』シリーズには行かれたことはありますか?
K「そんなに行っていないですが、バカにはならないです。志は高いというか、こう言ってはスノッブですが、本来パリの街で地区の人々に親しまれている繁盛店はあんな感じなんじゃないかと思います。伊・仏料理に関して言えば、日本はおいしすぎるんですよ。日本の外食産業は、2007年に初めて東京版が発売された『ミシュランガイド』が大きくした部分もあると思います。いまでは東京だけでなく関西や福岡・佐賀など様々な都市版が登場していますが、最初の『ミシュランガイド東京2008』では、ミシュラン史上最も多い星がバラまかれ、東京が世界一の食都市であると高らかに宣言されたんです。どのくらい高らかだったかというと、ベルリンには星を一つもやらなかったり、他国版には“一つ星未満だけれどお手頃”なビブグルマンというカテゴリーがあるのに対し、東京版に掲載されたレストランは全てが星付きで、近年ようやく取り入れられたほどです。何の話をしているかというと(笑)、そのビブグルマンに『俺のフレンチ』や『俺のイタリアン』も含まれていましたね。他にもパン屋の『VIRON』が入っていたり、けっこうな数の店が掲載されるようになりました」
I「日本ってファーストフードとチェーンレストランと専門店に三極化しちゃったんでしょうか。地域に根付いていたものが消滅しているのが残念です。その隙間を『俺の』とかが突いてるんでしょうか。コストパフォーマンスでいえば、いまは立ち食いステーキの店なんかもありますよね。『俺の〜』シリーズにしても、アクセスしやすいんでしょうね」
【いまはコンビニが惣菜屋さん代わりに!?】

Photo(portrait):Yuji Namba Text:Misho Matsue

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