全人類を魅了する、奥深き食の世界[前編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17 | Numero TOKYO - Part 3
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全人類を魅了する、奥深き食の世界[前編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17

菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17
菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17
ワイン・割烹 CONTRASTE 住所/東京都新宿区荒木町 9美舟ビル1F Tel/03-6457-7130 営業時間/18:00〜25:00[L.O.] 定休日/日
菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17
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天然虎河豚 竜田揚げ(二個) ¥2,760
菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17
菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.17
香箱蟹 塩茹で(一杯) ¥2,070(時価)
K「先生は外食派なんですか?」
I「海外に行くと多いですが、最近はあまり外食しないですね。うちは料理一家で。息子はいまイタリアで修行をしていて、女房は料理の先生をやってるんで。それに外食はだんだん体が受けつけないようになって。豆腐と納豆と梅干しがあればいいです(笑)」
K「僕はいまは100パーセント外食なので、新宿を中心にミシュランでレイトレストランを探したり、荒木町周辺にもよく行きますね。『つきぢ田村』でセコンドだった20代の大将がやっている『山灯』のように、燗酒を数百種類揃え、またミニコースが2,500円程度の店が群生していることにより、女性誌の編集者たちが息巻いていますよ。それから、旦那さんが料理人で、女将がシニアソムリエをやっているワイン割烹『CONTRASTE』という店もあります」
I「荒木町、落ち着きますよね。以前はよく行っていました。“スナックの聖地”だし、流しも残ってて、小さな和食屋さんが多い。“失われた界隈(ミリュー)”ですね」
K「店がずっと鈴なりになっていて、作りとしては、高級なゴールデン街ですよね。ゴールデン街がラーメンと缶詰なのに対し、荒木町はグルメ志向です」
──どういった食のブームに注目していますか?
K「僕の友達も含め、もちろん舌の肥えた奴もそうでないのもいますが、全員がコンビニではセブン-イレブンの惣菜やレトルトが一番おいしい、ズバ抜けていると言っていますね。大体横並びだったのが、ある時から急に食に力を入れ始めましたよね。セルフサービスのドリップコーヒーサービス、セブンカフェは去年の日経MJヒット商品番付でも横綱に選ばれましたし」
I「いまはコンビニが惣菜屋さんの代わりになっているんですね。以前は店舗でから揚げを揚げるなんてことはなかったじゃないですか。一人用や女性用にも細かく対応してるし」
K「大手ではミニストップくらいだったのが、コンビニ全体が惣菜屋としての力を付けています」
I「もっと温かいもの、人の手がかかっているものを食べたい、というニーズにも合致したんでしょうね」
【簡単に手に入る商品を組み合わせた“ちょい足し”がブーム】

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