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テーマパークっていったい何?[後編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.16

テーマパークっていったい何?[後編]
誕生30周年を迎えた相変わらず根強いファンを持つ東京ディズニーリゾートをはじめ、遊園地、動物園、巨大な公園、万博、大人から子どもまで楽しめるアミューズメント施設…。ひとくちにテーマパークといってもいろいろあるが、そもそもテーマパークのテーマとは何を示すのか? そもそもの発祥の歴史から変遷を辿り、多様化していったスタイルまでを縦横無尽に語る。テーマパークの最終形とは…。
変わりゆくテーマパーク

ハウステンボス © ハウステンボス/J-15212
──テーマパークの原型の一つであろうと考えられる万博にも、エンターテインメント性はあったのでしょうか。写真などを見る限り、楽しそうな雰囲気が伝わってきますが。
伊藤俊治(以下I)「あったでしょうね。ただ、あらゆる新奇なものを集めてきて展示するのが万博ですが、テーマパークにはテーマがないと成り立たないから、どんどん細かく分岐していったのではないでしょうか。万博にはいろいろな国のパヴィリオンがありますが、それに特化したのがたとえば長崎のハウステンボス。他にもドイツ村やスペイン村など日本各地に次々とできたにもかかわらず、もうほとんどは消えてしまったでしょう?コンテンツが単調なので、飽きられてしまったんですよね。そんな中、ハウステンボスは新しい資本投下により、バラ園を作ったり、イルミネーションイベントを開催してテコ入れをしたようですね。それによって入場者数が増えたという話を聞きました。テーマパークというからには、庭園や遊歩道といった要素があるべきで、そういうものにはいまだに潜在的な需要がある気がしますね」

2012年東京ミチテラスの東京駅のプロジェクションマッピング © 東京ミチテラス実行委員会
──アトラクションではないところに目を付けたということですね。
I「アトラクションでは設置する場所をまったく変えてしまう上に、あっさりと飽きられてしまう可能性がある。一昨年、東京駅でのプロジェクションマッピングが話題になりましたが、ああいったタイプのエンターテインメントは可動的で、半永久的である必要がないんですよね」
──維持費、メンテナンス費にも関わってきますし。今後はテーマパークもヴァーチャル化していくのでしょうか?
菊地成孔(以下K)「そうなると再び移動遊園地に近づきますね。ある時やってきて、去っていくという」
I「前編で話したキルメスなどは夏限定のものなので、その季節の巡回性に対する地元住民の親密度はすごく高いわけです。家族代々楽しんできた歴史がありますから。興行側にしても短期間で一気に稼げるので、きっと夏だけでも成り立つ商売なんでしょうね」
K「ジャズミュージシャンもそうですよ。夏の間に世界中のジャズフェスティバルに出まくって、あとは練習、というふうに(笑)」
【遊園地のアトラクションはキッチュとモダンの繰り返し】
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Photo(portrait):Yuji Namba Text:Misho Matsue

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