Culture / Post
テーマパークっていったい何?[前編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.15
K「竹の子族、なめ猫やノーパン喫茶の時代ですね」
──伊藤先生はディズニーランドに行ったことはありますか?
I「子どもがいるので、かなりの回数行っていますね」
──そして、テーマパークについてリサーチされたこともあるとか。
I「ある時期興味を持っていて、遊びというよりは文化の学びの場のような、カルチャー系のテーマパークについてリサーチするために世界を回ったことがあるんです。たとえばディズニー・アニマル・キングダムやエプコット・センターなど、生命や宇宙をテーマにしたパークを備えるフロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートは、それこそ集合的なテーマパークですね。東京ディズニーリゾートより文化寄りで、ジェットコースターなどのアトラクションは少なかったように思います。アメリカはさすがにコーニー・アイランドの時代から多種多様なテーマパークが作られていて、IBMの『THINK』とか、もうなくなりましたが、AT&Tの『インフォクエスト・センター』とか、学びのテーマパークの流れがありますね」
K「ディズニーワールドでは“区切る”のが作法なのか、ディズニーランドも未来や開拓時代など、“テーマランド”で分割されていますよね。まあ、区切らないと成立しないのかもしれませんが」
──お二人はディズニーランドでは絶叫マシンに乗ったりするのでしょうか?
I「下半身が気持ち悪くなるから乗らないです(笑)。生理学的に言っても、男で絶叫マシンが好きな人はあまりいないんじゃないですか?」
K「僕も絶叫系には一切乗りません。ディズニーランドに限らずですが、限られた敷地を十分に活用するために、イッツ・ア・スモール・ワールドやジャングル・クルーズなど有名なアトラクションは客を回遊させるんですよね。パノラマ感というか、フロイトマニアにはたまらない、過去からずっと胎内を通っていき、最後に誕生するような感覚があるんです。それもあって、ものの2,3分が30分くらいに感じられるんです」
I「鎌倉・長谷寺などにある、狭い道を巡っていき、やがて再生する胎内くぐりみたいなものですよね。もしかしたら、そこにテーマパークの原型があるかもしれません。ところで、そもそもテーマパークの起源って何なんでしょうね 」
【ショッピングモールだってテーマパーク】