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テーマパークっていったい何?[前編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.15

テーマパークっていったい何?[前編]
誕生30周年を迎えた相変わらず根強いファンを持つ東京ディズニーリゾートをはじめ、遊園地、動物園、巨大な公園、万博、大人から子どもまで楽しめるアミューズメント施設…。ひとくちにテーマパークといってもいろいろあるが、そもそもテーマパークのテーマとは何を示すのか? そもそもの発祥の歴史から変遷を辿り、多様化していったスタイルまでを縦横無尽に語る。テーマパークの最終形とは…。
どこまでがテーマパーク?
伊藤俊治(以下I)「意外だったのですが、菊地さんはよくテーマパークに行くと仰っていましたよね」
菊地成孔(以下K)「回数でいえば、そうですね。以前、ウォルト・ディズニーについて調べていた時期があって。でも、それと東京ディズニーリゾートに行くことは直接は関係ないんですけどね。5、6年前は年に3回くらい行っていましたが、もう一波は超えていて、いまは一年に一度くらい行くかどうかです。最初のディズニーランドは1955年、カリフォルニアにオープンしたのですが、これはマクドナルドの1号店ができ、エルヴィス・プレスリーがメジャーデビューしたのと同じ年なんです。翌年にはアイゼンハワーの連邦補助ハイウェイ法により全土のハイウェイがつながり、ディズニーランドは現代のアメリカが形作られていった象徴の一つになっているんですよね。ロバート・フランクの有名な写真集に“The Americans”というのがあるのですが、これは1955年から1956年にかけて撮影されたもので、アメリカの変遷を捉えていると言われています」
I「アメリカが一番アメリカらしかった時期とも重なっていますね。ちなみに当時、ジャズ界はどんな局面だったのでしょうか?」
K「チャーリー・パーカーが1955年に亡くなっているので、ビバップ退場&ロックンロール登場、という節目ですね。ロックンロール・アメリカは1962年のビートルズ登場まで続きますが、かつては“疑似イギリス”だった国が突然子どもっぽいオリジナリティを持ち“おとぎの国”に、つまり国全体がテーマパーク化していったんです」
I「アメリカ大衆文化の形成におけるクライマックスである1955年、西海岸で生まれたディズニーランドが海を渡り、占領軍によってアメリカ化した日本でバブル前夜の1983年、湾岸・舞浜にオープンしたということですね。この間、映像作家クリス・マルケルの特集をやっていて、彼の代表作『サン・ソレイユ』には1983年の日本の様子がいろいろと出てくるのですが、今から見るとあまりに異質で、カルチャーショックを受けました。僕自身その中にいたのですが、あの時代の雰囲気は特別ですね。そうした時代に巨大なアメリカのキャラクター・ゾーンができあがっていった」
【ディズニーランドは“区切る”のが作法!?】
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Photo(portrait):Yuji Namba Text:Misho Matsue

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