能町みね子展記 | Munehisa Sakurada
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能町みね子展記

1月の星男の展示は、能町みね子さんによる「蔵出しショー」でした。
今までみね子さんが描かれてきた原画をそのまま星男中にはりめぐらせたのですが、
持ってきて頂いた原画はその数十倍あり、全て展示するのは難しくカラーの原稿を中心に展示となりました。
それでも所狭しとはりめぐらせて、トイレの中にまで原画が…!


1枚の原画の情報量と、細やかな描写で(もしかしたら米粒に絵を描けるのではないか…)
めんどくさがりと自称するみね子さんは、謙遜かもしれない。それくらいの内容の濃い一枚一枚が
堪能できる展示でした。


みね子さんとの出会いは、数年前お友達に連れて行ってもらったあるライブで、
そのお友達から紹介をうけたのが最初でした。


それからも、そのお友達がやっていたお店でごはんを食べたり、
その時は、みね子さんのヌードを撮らせてもらおうというお話があったんでした。
結局、その後ヌードは撮ることはありませんでしたがいつか良い機会で
撮らせてもらえたらいいなぁ。
その後、一緒にライブに出演させてもらったり、僕のライブにも来てくれたなぁ。
ゴールデン街での展示も来てくれました。みね子さんの誕生日もご一緒させて
もらった事もあったなぁ。


去年は、みね子さんが永年住まわれていた「和子荘」をでられるというので
「和子荘、お別れパーティー」にも行かせてもらいました。

和子荘は、本当に素敵な建物でみね子さんがとても愛してこられた場所です。
和子荘については、みね子さんの著書「お家賃ですけど」に詳しく書かれているので
是非読んでみてください。優しい視点とせつなさがあって、泣けてきました。


感情に溺れない、クールさの中に優しく包んでいくようなあたたかさがあって、
実際のみね子さんも近いなぁと思うんです。


今回の展示で、大阪からわざわざ来られていた方が
混雑していて入れなかったのですが、僕もものすごい忙しさでケアができず、
しばらくしたら、もう一度来てみてくださいとしか言えなかった事がありました。
それ位、すごいお客さまが来てくれたのですが後から結局その方達が
来られなかったので、みね子さんがそれをとっても気にして
空いた時点で連絡してあげたらよかったなぁと落ち込んでいました。
ほんとになんで思いつかなかったんだろうと僕も反省しましたが、
来ていただいた方みんなにそういう気持ちでみね子さんはいて、
とっても優しい。


何年か、思い出してみると色々な場面でみね子さんと一緒にいることができて
こうやって、また新しいみね子像を感じたりできた今回とても嬉しかったです。


そうだ、雪の日に突然来てくれた事もあって
寒いのが苦手な僕は、雪の日にあまり外に出たくないので
みんなもそうだろうと、お店で紅茶を飲んだり、読書をしたり、
雪だるまを作ったり、自分のお家にいる感覚で楽しんでおりました。
そこに、すっとみね子さんは現れてとってもびっくりしたのですが、
どうやら、みね子さん冬や、雪、東北地方がものすごく好きな様子。
今度出る本も、北へ逃げるという意味で「逃北」というもの。
あの日、みね子さんウキウキしていたんだなぁと改めて知った僕でありました。


「逃北」出版記念で、星男でまた楽しい企画を練っています。
是非お越しください~。詳細はまたお知らせします。

Profile

munehisa sakurada
TOKYO
fine artist

1993年にモデルとしてデビュー後、俳優、歌手、タレントとして活躍。現在は、美術家として国内外の展覧会に写真を媒体とした作品を発表している。2011年にART&MUSICBAR「星男」を新宿二丁目にオープン。

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