毎年の様に、新しい季節の中で感じること。今ならばこれですね。
「冬ってこんなに寒かったっけ…」
36回も体験しているはずですが、毎年この寒さをはじめて知った気がします。
子供の頃の冬、もしかしたら今より寒かったのかも知れない。
東京ではなく、千葉でしたが雪の思い出がもの凄く残っているからだ。
雪の日は、とっても嬉しくて長靴を履いて外に出た。
友達と雪を投げあったり、雪だるまを作ったり、かまくらを作ったりした。
なんで、あんなに雪が降っていたのだろう。
最近、雪が積もっている景色を見ていない気がするのは気のせいなのかな。
子供の時、何年にもかけてチラホラあった程度の事や、一度の印象的な事をひとつの時代として
記憶しているのかも知れない。記憶って不思議。
36回目の冬ならば、36人の自分がいる様に、
それぞれが、重なりあったりしてる。
一日中眠り続け目が覚めた朝、お腹がすいて家に何もなかったから、
お弁当でも買おうと早大通りを歩いていた。
いつもいるお爺さんは、いつものようにすれ違う人に「ごくろうさま」と
声をかけている。僕は寒いだろうとダウンジャケットを着て外に出たのに、
想像以上の寒さにまたもや、はっとして冒頭の事を思った。
お爺さんは、とても薄着で心配になり顔を見ると青白く見えた。
父親の顔がいつの間にかその顔と重なって消えた。
この景色の時代に今いるんだなとふと思いながら僕はお弁当屋まで歩いていった。