追悼 林文浩さん(チャーリー) | Mari Saito
Mari Saito

追悼 林文浩さん(チャーリー)

伝説の編集長、林文浩さんことチャーリーが46才という短すぎる人生に幕を閉じ、本当のレジェンドになってしまった。 思い返せばLV入社前、G社に席を置いていたころ、紀尾井町ビルのショールームにぎらぎらで、ちょっと怖い雰囲気の彼は現れ、夢を語りながら半分脅されているような気にさせるぐらいな勢いで情熱をほとばしらせ、「DUNE」は世界一かっこ良くって他に例の無い雑誌だからと熱弁してくれたのが本当に懐かしい。 その後LVに入ってからも友人の紹介などもありさらなるご縁ができ、2006年のマーク・ジェイコブス来日コレクションの記念号を一緒に作ってもらうことに。>

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ヴァネッサ・ビークロフトといアーティストの人文字によるLVロゴをどうしても表紙にしたいという林氏の情熱に負けた形でパリ本社に承認を取るべく奔走。アート作品であるということでなんとかOKをもらい表紙にすることが出来たのです。一事が万事、そのような状況・・・でもそんな事にへこたれるチャーリーではありません。あり得ない人選と6年前とは思えない先見の目を持った彼らしいコンテンツが出来上がり、まさに永久保存版となりました。

この写真はソフィア・コッポラが最初の子供を妊娠中にHIROMIXが撮りおろしたもの。
ソフィアの母性がほんのり伝わってくる素敵な一枚。

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何しろ凄いラインアップ。日本人アーティストはLVとのコラボをしてまだ数年めの村上隆氏からカイカイキキの女性アーティスト、アラーキー、草間彌生さん、森万里子さん、松井冬子さん、そしてマーク・ゴンザレス、ライアン・マッギンリーなどなど。林氏のネットワークの幅広さを感じさせてくれます。

最後の見開きには、LV神戸店の前を通り過ぎるデコトラをとらえた田附勝氏の写真。
凄いこだわりの一枚だった記憶が。このために林氏は神戸まで撮影を強行!なんともシュールな画像となったのです。

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DUNE,そして私的にはこのLV版のDUNE保存版・・・・純粋な情熱は失わず、彼ははどんどん先に走って行っていたんですね!林氏の遺作となった、Libertine DUNEはアートの要素がさらにふくらみ、Contraredeとの出会いによって刺激し合う関係を保ちながら最高にクールで、洗練されたアート&カルチャー誌。

http://www.qetic.jp/?p=67801

そして五月末に彼のLast Galleryという最高にオシャレなギャラリーで行われたLibertine DUNE発行記念のパーティーで会ったのが最後になってしまいました。

まさにこれからというところで逝ってしまったチャーリー。
かっこ良ぎる、でも彼以上にアウトローを地で行ける人も無かったし、むちゃくちゃだったと思わせながら、実に暖かくてでっかいハートの持ち主だった林文浩、チャーリー。
たくさんの事を教えてくれて、そして次世代に多くのメッセージやお土産を残してくれたチャーリー。
心からご冥福をお祈りしています。
Rest In Peace……………….

Profile

mari saito
TOKYO
LOUIS VUITTON JAPAN PR communication director

イベントや海外出張などのハードスケジュールの合間に、プライベートな時間を愛猫に癒される日々を送る。通称バニ母。

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