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Culture Post

音楽通も納得。ウェス・アンダーソンの劇中ミュージック・ガイド

60〜70年代のロックがお気に入りで、ヴィンテージな時代設定も音楽好きに起因している、とウェスの談。劇中、世の中とうまく折り合いを付けられない登場人物の心情を代弁するかのように、効果的に音楽が使われている。

Text:Minami Mihama Edit:Masumi Sasaki


OST『グランド・ブダペスト・ホテル』(ユニバーサル)

『グランド・ブダペスト・ホテル』
オリジナルの世界観でオスカー作曲賞を受賞

従来のオーケストラ楽器を使わず、ハンマー・ダルシマーやツィンバロンなど、バラライカや東ヨーロッパのジプシー音楽に使われる楽器を多用。レコーディングの際には、ロシアとフランスからバラライカの演奏家を50人集めた。デスプラへのオーダーの際にもウェスは自身のイメージをしっかり伝えているという。


LOVE『Da Capo』

『アンソニーのハッピーモーテル』
元DEVOメンバーとの強力タッグ

ウェスの映画といえば、映画本編のみならず、サントラの完成度・評価も高い。この作品から『ライフ・アクアティック』まで、元DEVOのマイク・マザーズボウがスコアを担当しており、ジャジーな雰囲気にローリング・ストーンズやラヴの古き良きロックを組み合わせ、アクセントを与えている。

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ザ・ローリング・ストーンズ『Aftermath』

『天才マックスの世界』
ウェスのブリティッシュロック通ぶりを発揮

ウェスは当初、ザ・キンクスの曲でサントラを構成することを考えていたが、路線を変更。初期のストーンズ、ザ・フー、フェイセズなど、自身の好きな60〜70年代の「ブリティッシュ・インヴェイジョン」と呼ばれるロックをふんだんに使用。

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ニコ『チェルシー・ガール』

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』
60~70sロック&パンクとストーリーの調和

マーゴとリッチーの再会シーンで流れるのは、ニコの「These Days」。この映画の中で、音楽も含めて、最初に思いついたイメージだという。マーゴの過去が暴かれるシーンで使われているラモーンズの「Judy is a Punk」の疾走感も素晴らしい。

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デヴィッド・ボウイ『Hunky Dory』

『ライフ・アクアティック』
ボウイのグラムな世界をブラジリアンにアレンジ

劇中、事あるごとにデヴィッド・ボウイの曲を弾き語りでカバーし続けるチーム・ズィスーのペレは、ブラジル人ミュージシャンのセウ・ジョルジ。冒頭、スティーヴが船の案内をするシーンでは、前作・テネンバウムズの「Scrapping&Yelling」のフレーズが聞かれる。

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『ダージリン急行』
インドの映画音楽にシャンソンをミックスする妙

ウェスが敬愛するインド人映画監督サタジット・レイの作品に使われていた音楽などを転用。感動のエンディングで流れるジョー・ダッサンの「LesChamps-Elysees」。実はこの曲は、三兄弟が母に再会するシーンでは母が回すオルゴールでも聞くことができる。

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ザ・ビーチ・ボーイズ『Smiley Smile』

『ファンタスティックMr.FOX』
古き良きアメリカにトリュフォーのスパイス

この作品以降、映画音楽の大家アレクサンドル・デスプラとタッグを組む。劇中で農場の使用人ピーティーが歌う「FantasticMr.FoxAKAPetey’sSong」は、ピーティー役を演じたジャーヴィス・コッカーの書き下ろし!カントリーやフォークをうまく織り交ぜつつ、冒頭、キツネのカップルが盗みを働くシーンで流れるのは、ザ・ビーチ・ボーイズ「Heros and Villains(英雄と悪漢)」。

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フランソワーズ・アルディ『フランソワーズ・アルディ』

『ムーンライズ・キングダム』
背伸びした主人公に寄り添うノスタルジック・サウンド

ベンジャミン・ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」などのクラシック音楽と、舞台である60年代に愛されていたポップソングをミックス。スージーは駆け落ちの時にもレコードとプレーヤーを持っていき、大好きなフランソワーズ・アルディの「恋の季節」をバックにサムと浜辺で踊る。

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