この夏注目のアートフェスガイド2017
日本全国、地域発のアートイベントが花盛り。「音楽フェスもいいけどアートもね!」的な楽しみはもう常識。夏休みから秋にかけて出かけたいおすすめのアートフェスを解説!
札幌国際芸術祭2017
都市と自然が交わる地から“新しい祭り”が生まれる
メインヴィジュアル
ここがポイント
美術家、音楽家、劇団など多彩な表現が集結
巨匠も市民も混交し、日々変化する祭り空間
約100作家、30会場!旅する都市フェス
中谷芙二子『FOGSCAPE#47412』(2014年)撮影:木奥恵三 (前回(2014年)の開催風景より。)
夏の北海道で繰り広げられる、新進のアートフェス。初回ゲストディレクターの坂本龍一に続き、今回は大友良英が“バンドマスター”として札幌市民と芸術祭づくりに挑む。彼の個性が札幌の文化と自然、そして人々と反響し合う、そんな構成になりそうだ。
石川直樹『Shiraoi』
ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞作家の美術家・音楽家であるクリスチャン・マークレーや、ビデオアートのゴッドファーザー、故ナムジュン・パイク、近年大注目の毛利悠子らに加え、ミュージシャンのテニスコーツやEYE、演劇界から指輪ホテル、さらに地元の名(珍?)スポット「レトロスペース坂会館」まで巻き込む、カオティックな構成。
市民と共同制作され、市電とその周辺地域で上演される新作演劇『札幌市電×指輪ホテル』のイメージ(撮影:詫間のり子)
大友が震災後に取り組んできた「大風呂敷プロジェクト」や、子どもたちが音を尊重しながらつくるオーケストラなど、会期中は常に街のどこかで何かが起こる予感。ライブハウスの“ともに生み出す場”的感覚も思わせる“新しいお祭り”が出現する。
旭川の木彫り師による木彫り熊の名作『這い吠え熊』山里稔コレクション蔵
「芸術祭ってなんだ?」という、直球かつラディカルなテーマへの答えは、祭りに飛び込んだ参加者それぞれが現在進行形の現場で生み出すことになるだろう。
島袋道浩『一石を投じる』(2014年)アイヌの聖地から北海道庁赤れんが庁舎前の北3条広場に運ばれた石(前回(2014年)の開催風景より。)
『札幌国際芸術祭2017
芸術祭ってなんだ? —ガラクタの星座たちー』
会期/2017年8月6日(日)~10月1日(日)
会場/モエレ沼公園、札幌芸術の森、札幌市立大学、札幌大通地下ギャラリー500m美術館、札幌市円山動物園ほか
パスポート/前売一般¥1,500、当日¥2,200円ほか(個別会場チケットもあり/中学生以下無料)
休館日/会場やプログラムによる
お問い合わせ/札幌国際芸術祭実行委員会事務局
TEL/011-211-2314
URL/siaf.jp