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Culture Post

緊急座談会! 2017年アートフェスの挑戦
逢坂恵理子×大友良英×スプツニ子!

日本全国、地域発のアートイベントが花盛り。「音楽フェスもいいけどアートもね!」的な楽しみはもう常識。でも「アートを“客寄せパンダ”にするな!」という議論も加熱中。この夏、日本のアートフェスはどうなる? 百花繚乱のアート祭り。いざ予習と参りましょう。

Photos : Shuichi Yamakawa
Text : Shinichi Uchida
Edit : Keita Fukasawa

art

『ヨコハマトリエンナーレ2017』コ・ディレクターの逢坂恵理子、『札幌国際芸術祭2017』を率いる大友良英、そして芸術祭に参加する立場からアーティストのスプツニ子! の3者が語り合う、芸術祭の挑戦と楽しみ、“その先”のヴィジョン。

老舗“ヨコトリ”の新たな挑戦

──今年のヨコハマトリエンナーレ(以下「ヨコトリ」)は「島と星座とガラパゴス」がテーマです。芸術祭では、テーマも重要な鍵に?

逢坂恵理子(以下、逢坂)「そうですね。こうしたキーワードから新たな価値観を探ろうと選んだテーマです。“島”は海で隔てられた孤立と同時に、群島のようなつながりの象徴。“星座”はバラバラな星々を古の人たちがつなげた想像力を連想させ、船乗りの道標でもある。“ガラパゴス”は、ガラケーのように外では通じない発展である一方、独自の進化の可能性も秘めています」

スプツニ子!(以下、スプ子)「私にとってヨコトリは、数学に夢中だった10代に初めて体験した芸術祭だったんです。今回、ヨコトリのコンセプトを考える構想会議に参加しました。多分野から着想を得るアーティストとして、哲学、科学など多領域の方々との議論が面白かった。私も『ネットは世界中をつないだようでいて、分断も生んでますよね』など意見を出しました。共存の理想像が世界中で崩れつつある今、考えるきっかけになるという視点も大切だと思うんです」

──アイ・ウェイウェイ(注1)をはじめ、多様な国内外作家が参加。多国籍コラボもあるそうですね。

逢坂「実は従来80組前後だった作家を、思い切って38組+1プロジェクトに絞りました。作家ごとに複数作をじっくり見られる小個展のようにし、それらがつながって『星座』を描くイメージです。さらに今回、ヨコトリのアイデンティティを今一度考え直すために、街の歴史とつながることをより意識しました。横浜は、歴史がまだ約160年の若い街。開港を機に外界と接しつつ都市化した、日本の近代化の歴史と重なる都市です。赤レンガ倉庫1号館や開港記念会館なども会場となり、横浜の歴史に触れられる工夫もしています」

新進アートフェスの実験的地平

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