広末涼子のターニングポイント「お芝居ってお芝居じゃないんだと気づいた」 | Numero TOKYO - Part 3
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広末涼子のターニングポイント「お芝居ってお芝居じゃないんだと気づいた」

Numero TOKYO 79号 きっかけは“コレ”でした vol.52 米倉涼子
Numero TOKYO 79号 きっかけは“コレ”でした vol.52 米倉涼子
──広末さんの人生の変わり目はいつでしたか。 「19歳のときに1、2カ月、作品絡みでパリに行かせてもらったことです。映画で使うフランス語を身に付けるために渡仏しました。それまでは全くお休みがなかったので、1カ月間、24時間すべてが自分の時間になったことで『どんなことでも可能になる』『できないことはないんだ』と感じ、夢を持つことができたんです。また日本の芸能界を客観視できたことも大きかったです」
──自分の時間が持てたことで、可能性を広げることができた、と。 「はい。しかし、いざ帰国すると、自分が思い描いた夢を実践できるわけもなく悩みました。それで20代の頃、2年ほどお休みをいただきました。その時期にやっと、15歳でこのお仕事を始めた頃の大好きだった気持ちや、なんでも吸収しようという前向きさを取り戻すことができたんです」
──そこで初心に戻れたきっかけは? 「それまでは自分の好きなドラマを見る時間がなく、その結果、自分の出演作しか見なくなり、自分に対する目も厳しくなってしまい、変な責任感にとらわれて…という悪循環。それが現場を離れて、日常の中でドラマを見ることで変わりました。20代前半は、メッセージ性の強い話が良い作品だと思っていました。でもあるとき、コメディタッチのホームドラマを見てすごく幸せな気分になったんです。『ああ、日常生活の中でこういう作品があることも大事なんだ!』って。もちろん、人が作るものに意味のないものなんてないのですが、それまでは見えていなかったんです」

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