アスリート、母として、一人の女性として。安藤美姫が語る、今の想い | Numero TOKYO - Part 4
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アスリート、母として、一人の女性として。安藤美姫が語る、今の想い

安藤美姫が語る、今の想い
安藤美姫が語る、今の想い
──それって出産後のことですよね? 2年目のオフは、それとは関係のない決断だった?「妊娠がわかったのは一昨年の11月で、コーチの不在や競技者としてのメンタル面の準備などが整わずに、ペナルティ覚悟で2年目のオフにするレターを出したのは9月。でも、実際は、それ以前から気持ち的に復帰は難しかったので」

──母になるという決断については迷いはなかった?「当時の心境だとかパーソナルな部分の話は今はまだちょっと──。スケーターの安藤美姫としては、その範囲のことであればなんでも発信できますが、プライベートライフまで自分から発信するのは違うんじゃないかなって思うところがあって。結果としての事実はお伝えするべきだと思うんですけど、そこまでの過程や心情はこれからもお伝えしなくていいのかなって」

──それは人それぞれですよね。自分の生き方として多くを語らないとか、守るべきものを守るための決断ならなおさら尊重されるべきだし、語らないことを誰かに非難されるようなことでもない。「いつかそういうことを話すタイミングが来たらお話することがあるかもしれないですけど、今はまだ違うかなって」

──出産後に現役復帰を決めたのは、それまでの感謝を伝えるための手段であって、ソチを目指してというわけでもなかったと?「たまたまオリンピックイヤーと重なりましたが、まずは全日本で勝ち抜かなければいけない。正直なところ、どの試合で引退してもいいと思っていたんです。自分で納得さえできれば。そういう気持ちで一つ一つの試合に真剣に挑み、一つでも多く試合に出て皆さんに見ていただけることで感謝の気持ちを届けることができたらと。本当にそれだけだった。トリノもバンクーバーの時もそうでしたけど、オリンピックを目指していたわけではなかったんです。日本で自分の力を発揮して、そのご褒美として世界選手権なりオリンピックというものがついてくる。そういう考え方。まずは毎年毎年、全日本で──と」

Photos:Kisimari Styling:Makiko Miura Hair:Dai Michishita Makeup:Nao Suzuki Interview & Text : Takako Tsuriya Edit:Hisako Yamazaki

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