実はまだ続いているフィンランド記…
わたしはフィンランドで
スオメンリンナという世界遺産に行ってきました!!
スオミ=フィンランド人
リンナ=城
つまりはスオメンリンナとはフィンランド人とっておきのお城でございます。
しかし軍事施設の名残がある島というだけでお城ではございません。
これは一体どういうことかと言いますと、
200年ほどロシアやスウェーデンの軍備施設として使われてきたこの島が
フィンランドの独立後ようやくフィンランドのものになった際、
これからはフィンランドの平和の象徴的な場所にしよう!という気持ちを込めて
「フィンランドの城」と名付けられたというわけです(わたし的推測)。
そんなスオメンリンナに
ヘルシンキのマーケット広場からフェリーに乗って15分
世界どこへ旅に行っても100%の確率で中国人に何か訊かれるわたくしが
今度は「この船の料金は一体いくらなんだ!」と訊かれながら
この島に辿りつきました。
とにかく穏やかなこの島、
なにせ世界遺産の島と言えども人々が住んでいるのです。
その日は結婚式があるらしく、多くのフィンランドのひとたちが
正装でこの島に乗り込んでいました。
それくらいのどかな島です。
この「のどか」とか「穏やか」とかのボキャブラリーが尽きてくるくらい
平和な島です。
ただ歩いてみれば
軍事施設であった名残は多く、
今はかつて作られた煉瓦の建物がそこらじゅうに残っています。
中には使われていない城壁もあり、
そんな城壁の中へ一歩入ると冷気が漂い、水がぴちゃぴちゃ言いながら滴っている。
ひとりだったわたしは、
走って逃げた。
逃げる。逃げるよ。
水のぴちゃぴちゃ音ほど怖いものはないよ!
ただその逃げた先では、住宅だと思しき
煉瓦で出来た昔からあるだろう情緒ある建物の扉の前で、
おじいちゃんがずっとタイヤを回してたんだよね。
わたしもうパニックだったから、
あんまりよくわからないけど…
おっきな車輪をまわしてたんだよね。
怖いよね。
でも、そっちにも何かあるかもしれないし、
どう考えても住民のひとだろうしそんな怖がっても失礼だろう!
よし、行ってみよう!
そう思って近寄ってみたら、
おじいちゃん…勢いよく首を振ったんだ。
長い白髪が、なびいたんだ。
わたしは
走って逃げたよ。
やっぱり。
はい。
スオメンリンナの新しいたのしみ方としてひとつ、
いかがでしょうか。
「ちょっと怖いぞひとりスオメンリンナ」。
そのあとわたしは海辺を歩いて北欧の海を感じたり、
地元のおとこのこ(2歳)と遊んでもらってあまりにカワイイので
写真を撮りすぎてお父さんに引かれたり、
公園でひとりでブランコに乗ったり、
フェリーの時間まで海に向かって小石を投げたりして
「むしろお前が怖いぞひとりスオメンリンナ」をたのしみました。
ただほんとうにゆるやか~に時間が流れて
みんながそれぞれの時間を楽しんでいる、
そんなやさしい島なので
行ってみたらきっと心が透き通るはずです。
いつも日本にいると逃れられない情報や喧騒から離れて、
こんな時間を過ごしてみるのもいいのでは?
おしまい