毎日の全てが新鮮で冒険だったあの頃
インターネットなど情報のインフラが今ほど整っていなかった頃、
見たことのないものに思いを馳せたり
ときに空想を膨らませながら空を見上げたりしていた
今よりもずっと想像力で夢を見ていた
僕らはそんなかけがえのない感覚を思い返すことのできる最後の世代なんだと思う
その感覚を大切にイマジネーションで描く夢とノスタルジーとが交錯する物語です。
幼い頃の朧げな記憶、フィルムに焼き付いた写真の思い出、
そして情報の渦の中に生きるハードディスクのような頭の中。
とてつもなく複雑な要素で構成された「今」の自分”hers”が、素材のコラージュによって表現される。
そして、不確かで儚い過去ー現在ー未来の「時間」を、リボンが緩やかに繋いでいく。
何でも簡単に手に入るようになった世の中は便利で、でも不自由なのかもしれない。
目の前にある情報の波に乗ることにばかり気を取られて、
自分の頭の中で「想像」する暇がなくなってしまった。
90年生まれの私は、ギリギリNOデジタル時代を知っている世代なのかもしれないとよく思う。
(インターネットはあったけど、日常的に使うものではなかった)
5歳上の人よりも、5歳下の人の方がジェネレーションギャップを感じてしまう。
新しいものが生まれること、どんどん時代が変わることも面白いと思う。
でも、アナログな時代を少しでも生きることができてよかった。
その時の感覚は、間違いなく私のルーツになっているし、今後もう経験できないかいかもしれないから。
ノスタルジーに浸るだけではダメだけど、幼い頃の感覚にタイムスリップしてみよう。
誰も予想できないような、自分だけの夢を見られるように。
Aisa Arikawa
tiit aw 2017 “hers”
Profile
aisa arikawa
TOKYO
student of architecture
1990年生まれ。インテリア、ファッションから「場」について考える端っこ建築学生。キラキラしたダイヤモンドよりもマットで温かい質感の陶器が好き。そんな私のちょっと外れた視点から眺めたデザインの世界。
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