今度は東京で。2つのオマー・ヴィクター・ディオプ展をアニエスベーが同時開催 | Numero TOKYO
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今度は東京で。2つのオマー・ヴィクター・ディオプ展をアニエスベーが同時開催

 Morrocanman  ©Omar Victor Diop, Courtesy of Magnin-A Gallery.
Morrocanman ©Omar Victor Diop, Courtesy of Magnin-A Gallery.

【2020年11月13日更新】「MASU MASU MASUGATA」展の会期が「12月4日(金)」まで延長になりました。

2020年10月23日(金)から11月15日(日)まで、セネガル出身のアーティスト、オマー・ヴィクター・ディオプ(Omar Victor Diop)の二つの展覧会が東京で同時開催される。青山のアニエスベー ギャラリー ブティックではセルフポートレートシリーズ「DIASPORA」展が、そしてアニエスベー渋谷店では「MASU MASU MASUGATA」が展示される。

アニエスベーとオマー・ヴィクター・ディオプの交流は深い。かつてパリでの展覧会で出会い、2015年のパリコレクションでは、ディオプはモデルとしてアニエスベーのランウェイを歩いたという。その後、パリのアニエスベーの「ギャラリー デュ ジュール」で、マリ共和国の若者たちを撮影したマリック・シディベとの展示も行った。そして今年の9月に開催された「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」(以下、KYOTOGRAPHIE)でも、アニエスベーはディオブをサポートしている。

京都で「DIASPORA」は重要文化財である京都府庁旧本館に展示されたのだが、旧議場に、まるで肖像画のように並んだポートレートが印象的だった。

そんな「KYOTOGRAPHIE」の熱も冷めやらぬ10月23日(金)より、今度は東京のアニエスベーのギャラリーと渋谷店で、再び作品が展示される。

Angelo Soliman ©Omar Victor Diop, Courtesy of Magnin-A Gallery.
Angelo Soliman ©Omar Victor Diop, Courtesy of Magnin-A Gallery.

青山のアニエスベー ギャラリー ブティックでは「DIASPORA」シリーズが展示、そして販売される。

“ディアスポラ”とは、元の居住地を離れて生活する人、物やコミュニティを意味している。制作時、彼はスペインのマラガに4ヶ月滞在し、異邦人として過ごすことでインスピレーションを得たという。そして、16〜19世紀のヨーロッパのアフリカ系偉人の肖像画に、現代の欧州リーグで活躍するアフリカ系のサッカー選手たちを重ねた。故郷を離れて生活するサッカー選手たち、そして、当時ヨーロッパで生活していた自分自身もアイコンとして、セルフポートレートを撮影した。

『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年10月号掲載のインタビューでは「黒人の歴史を特に若い世代の人々に知ってもらいたい、という意図を込めた」と語っている。そしてサッカーの要素を取り入れることで、関心を持ってもらうきっかけにしたかった、とも。

サッカー選手も含め、彼らが直面する人種差別問題、そしてBLM運動についても触れ、「各々の文化やアイデンティティを大切にするのは良いことだけど、他者へのリスペクトも忘れちゃいけない」と語っている。

© Omar Victor DIOP/Courtesy of KYOTOGRAPHIE
© Omar Victor DIOP/Courtesy of KYOTOGRAPHIE

© Omar Victor DIOP/Courtesy of KYOTOGRAPHIE
© Omar Victor DIOP/Courtesy of KYOTOGRAPHIE

「MASU MASU MASUGATA」シリーズは、ディオプが2019年に1ヶ月間ほど京都に滞在して制作。「出町桝形商店街」で働く人々をポートレートに収めた。「KYOTOGRAPHIE」では、巨大プリントを出町桝形商店街のアーケードに吊し、実在するモデルと作品が近しい位置でのユニークな展示となった。

アニエスべー渋谷店では、これらの作品がリプリントされて展示。

「セネガルと日本の共通点は和を大切にするところ。人の話をきちんと聞いて、他者へのリスペクトがある」と語るディオプ。彼の作品からは、世界のどこにいても揺らがない、細やかで、まっすぐな眼差しが伝わってくる。

© Omar Victor DIOP/Courtesy of KYOTOGRAPHIE
© Omar Victor DIOP/Courtesy of KYOTOGRAPHIE

© Omar Victor DIOP/Courtesy of KYOTOGRAPHIE
© Omar Victor DIOP/Courtesy of KYOTOGRAPHIE

京都で見た方も、見逃した方も、ぜひこの機会に、オマー・ヴィクター・ディオプの展覧会へ足を運んで!

Omar Victor Diop “DIASPORA”
期間/2020年10月23日(金)〜11月15日(日) 13:30〜18:30 (月・休)
会場/アニスベー ギャラリー ブティック
※DIASPORA シリーズを展示・販売します。

Omar Victor Diop “MASU MASU MASUGATA”
期間/2020年10月23日(金)〜12月4日(金) 11:00〜20:00
会場/アニエスベー 渋谷店 3F
※MASU MASU MASUGATA シリーズは非売品となります。
※KYOTOGRAPHIEの制作により実現し、渋谷店で開催中の「MASU MASU MASUGATA」展の会期が「12月4日(金)」まで延長になりました。【2020年11月13日更新】

https://www.agnesb.co.jp/brand/agnesb-galerie-boutique/

Text:Hiromi Mikuni

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