カルティエ現代美術財団×ミラノ トリエンナーレの展覧会開幕 | Numero TOKYO
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カルティエ現代美術財団×ミラノ トリエンナーレの展覧会開幕

『The young Susi Korihana thëri swimming, infrared film, Catrimani, Roraima』 (1972–74年) © Claudia Andujar
『The young Susi Korihana thëri swimming, infrared film, Catrimani, Roraima』 (1972–74年) © Claudia Andujar

パリのカルティエ現代美術財団とミラノ トリエンナーレが、8年間にわたるパートナーシップを締結。共同プログラムの第1弾として、「クラウディア・アンデュジャール展:ヤノマミ族の闘い」がイタリア・ミラノで開幕した。

『Catrimani, Roraima』 (1972-1976年) © Claudia Andujar
『Catrimani, Roraima』 (1972-1976年) © Claudia Andujar
ミラノ トリエンナーレは、デザインと建築に焦点を当てた国際展を3年に一度開催。現代文化に関するさまざまな表現を発信する国際文化機関として、世界的な注目を集めている。 コンテンポラリーアート、建築、デザイン、ファッション、映画、科学、哲学といったあらゆる分野の横断的な国際プログラムを手がけ、現代アート創作について共通のビジョンを持つミラノ トリエンナーレとカルティエ現代美術財団。記念すべき共同プログラムの第1弾として、ブラジルの写真家クラウディア・アンデュジャールの作品と活動を取り上げる、最大規模の展覧会を開催する。

『Collective house near the Catholic mission on the Catrimani River, Roraima, infrared film』 (1976年) © Claudia Andujar
『Collective house near the Catholic mission on the Catrimani River, Roraima, infrared film』 (1976年) © Claudia Andujar

写真家・人権活動家のアンデュジャールは、アマゾンに関する記事の取材をきっかけに、1970年代からブラジルのアマゾンに暮らす先住民族「ヤノマミ族」の写真撮影と擁護活動に生涯を捧げてきた。ヤノマミ族の居住地域は現在、2万人の違法な金採掘業者の侵略に加え、新型コロナウイルス感染症の蔓延が重なり、これまでにも増して危機にさらされている。

アンデュジャールは、写真を通じてこの現状に多くの人々の目を向けさせるべく活動。ヤノマミ族と暮らした7年間の写真や、人権活動時代に手がけた作品、『Marcados』シリーズの未発表作品に加え、オーディオヴィジュアル・インスタレーション、そして、ヤノマミ族自身の自然観や宇宙観を表現する一連のスケッチを展示する。

『Unahi Opiki thëri, Roraima』 (1974年) © Claudia Andujar
『Unahi Opiki thëri, Roraima』 (1974年) © Claudia Andujar

19年にモレイラ サレス インスティチュート(ブラジル)、20年にカルティエ現代美術財団(パリ)で開催され、ミラノ トリエンナーレでの開催後は、21年にFundación MAPFRE(バルセロナ)、22年にFotomuseum Winterthur(スイス)へと世界各地を巡回予定の本展に、今後も注目したい。

※掲載情報は10月22日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

「クラウディア・アンデュジャール展:ヤノマミ族の闘い」
会期/2020年10月17日(土)〜2021年2月7日(日)
会場/ミラノ トリエンナーレ
住所/Viale Emilio Alemagna, 6, 20121 Milano MI イタリア
URL/fondationcartier.comtriennale.org
問い合わせ/カルティエ カスタマー サービスセンター 0120-301-757、cartier.jp

Text : Akiko Kinoshita

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