ザ・リッツ・カールトンで大切な人と分かち合う、特別な時間 「A Gift Like No Other~とっておきの贈り物〜」京都編 | Numero TOKYO
Life / Travel

ザ・リッツ・カールトンで大切な人と分かち合う、特別な時間 「A Gift Like No Other~とっておきの贈り物〜」京都編

この2年間、行動制約の多かった私たちの日々。こんな足かせのある状況下では、大切な人との時間や自分をいたわるひと時といった、“特別な時間”がひときわ愛おしく感じるもの。そして海外へなかなか行けない今、ザ・リッツ・カールトンでは日本文化をフィーチャーした特別な宿泊プランを提案。京都と大阪のザ・リッツ・カールトンで、日本に生まれたことに誇りを感じる時間を過ごしました。

鴨川ビューに心癒される、エレガントホテルの真骨頂

「A Gift Like No Other~とっておきの贈り物〜」という、ザ・リッツ・カールトンが提案する、日本の魅力を再発見するスペシャルな体験。国内の5つのプロパティで開催されていますが、今回は京都でのプログラムについてクローズアップ。歴史ある古都ならではの、日本の体験が待っています。

ザ・リッツ・カールトン京都が位置する鴨川二条大橋畔は、とうとうと流れる鴨川と東山三十六峰を一望にする、最高のロケーション。江戸時代にはここから以北が公家・宮家のお屋敷、以南に武家屋敷が立ち並び、選ばれし人々が好んだ眺望が広がります。

日本の伝統と現代的な欧米様式の融合を図った外観から、水音に包まれながら一歩館内に入ると、ふわりと香るザ・リッツ・カールトンのシグネチャーフレグランス。さらに「源氏物語」をコンセプトにしたアートワーク、そして枯山水や縦格子、七宝紋様など、和の意匠が、目を楽しませてくれます。

鴨川や東山の借景が広がる客室、えりすぐりのレストランなどホテルの詳細については、後半でご紹介するとして、まずは気になる「A Gift Like No Other~とっておきの贈り物〜」についてレポートしましょう。

七十二候の細やかな季節感を、ファーム・トゥ・“シェフズ”テーブルで!

日本には“四季”どころか、ほぼ5日ごとに分けた“七十二候”という季節の考え方があります。「カリナリー・ギフト」(食の体験)の「シェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue」では、エグゼクティブ イタリアン シェフの井上勝人氏が、そんな日本の繊細な季節感をお皿ので表現し、わずか6席のゲストのためにサーブします。

「シェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue」は2021年8月にオープン。今回は、シェフズ・テーブルで使われている食材の生産者を訪ねました。

井上シェフは20年来、生産者のもとへ足を運び、食材の育て方や扱い方を自ら確認し、厳選してきました。そして和牛の精肉店をしていた祖父、ステーキハウスの父から学んだ目利きのもと、健康的に飼育された和牛、神経〆めの魚など、命を大切にする生産者であることも重視してきたそうです。

その食材への真摯な姿勢を一緒に体験し、自分が口にするものがどんなふうに作られているのか知ることから、スタートしました。

今回、井上シェフと共に訪れたのは、江戸時代から続く石割農園。10代目にあたる石割照久さんは京都の名立たる名物料理人たちから絶大な信頼を集める生産者です。

石割さんの桂川の河畔に広がる畑では、土壌に肥料として余った野菜や貝殻、昆布だしを混ぜるなどの試行錯誤を繰り返し、年間生み出される野菜は150種ほど。畝を歩きながら、引き抜いたカブやもぎとったオレンジなど、まさにとれたてを畑からつまみ食いさせてくれることも。カブにいたっては、まるでフルーツを食べているみたい! 今まで食べてきた野菜はなんだったの⁉

井上シェフはディナーに使う野菜を見繕いながら、頭の中でメニューのアイデアを考えているようです。

そして、お待ちかねのディナー!

「シェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue」は“家”でのくつろぎをテーマにし、靴を脱いで席に向かいます。テーブル上のアレンジも、この日のために飾り付けられたもの。井上シェフはテーブルを見渡せる位置で、調理を行います。

この日のメニューは「自家製豆腐 丹波黒 大地のミネストロラ」から始まり、先ほどの畑のカブを使った「赤蕪 インサラータ・ディ・マーレ」、斬新な組み合わせにびっくりした「土鍋 伊勢海老 海老芋」など、9品のコース。どれも意外性に満ちていて、ひと口ごとに思わず目を見開いてしまいます。

調理場が席から近いため、ジュウジュウという音やおいしい香りも、期待感を倍増させます。

井上シェフが手掛けるのは「食べる人に優しい料理」。つまり、おいしくて健康的、そして人にも自然にも豊かな食。自然から食材をいただく感謝の気持ちが伝わってくるはずです。

料金/¥32,000(税・サ込)
時間/18:00~
定休日/日・月・火

お座敷遊びビギナーから楽しめる投扇興

“投扇興”とは江戸時代に流行した、京都発祥のお座敷遊び。“枕”と呼ばれる台の上に乗せた、“蝶”という的に向かって扇子を投げ、源氏物語にちなんだ名前の技と点数で競うというもの。100年の歴史がある扇子の専門店「大西常商店」にて体験します。

「ただ扇子を投げればいいのでしょう?」
もし、そんな考えがよぎったのなら、ぜひ一度お試しを。

メンタル面も関わったりして、意外と難しい! ビギナーズラックで点数を稼ぐ人もいれば、練習では調子がよくても本番では一向に振るわない人も。体力は使わないので、老若男女、誰でも楽しめます。京都の粋人を気取って遊ぶのも、楽しい旅の思い出です。

投扇興で遊興した後は、伝統的な町家作りの奥のエリアにある茶室において、茶道体験と和菓子を楽しみます。かつてはこの茶室は遠方からの大切な客人を通す特別な場だったそう。おごそかな気分で、お茶を一服。貴重な体験です。

「投扇興:源氏物語の世界から」
料金/大人¥4,500(1名、税サ込)
所要時間/1時間30分
※茶道体験付きのアクティビティは現在、終了

公家や武家が愛でた借景の、“カモガワリバービュー”に泊まりたい!

ザ・リッツ・カールトン京都は17室のスイートルームを含む計134室。各部屋の広さは京都屈指の50平方メートル以上を誇ります。

スイートルームの中には作庭家の野村勘治さんによる庭園付きの「ガーデンテラススイート」(灯篭はかつての藤田ホテルから継承)や、平安貴族にちなんだ月見台を置く「スイートTSUKIMI」、鴨川のせせらぎと東山三十六峰が堪能できる、暖炉付きのバルコニーを備えた「ザ・リッツ・カールトン・スイート」など、趣向を凝らした客室揃いです。

ガーデンテラススイート
ガーデンテラススイート

スイートTSUKIMI
スイートTSUKIMI

スイートルームがステキなのはもちろんですが、憧れ&狙い目は“カモガワリバービュー”と名の付くお部屋。ゲストルームの中で最も部屋数が多い「グランドデラックスカモガワリバービュー」も大きな窓から、鴨川や東山を望みます。窓辺に腰掛け、日がな一日景色を愛でるだけでも、贅沢な時間を味わえます。

グランドデラックスカモガワリバービュー
グランドデラックスカモガワリバービュー

「京都しゃぼんや」とコラボした金箔入りのソープ、信楽焼のシンク、「京漆匠 象彦」の漆のアメニティボックス、「HOSOO」の西陣織のクッションなど、端々に京都らしさが取り入れられているのも、ポイントです。

ピエール・エルメ・パリの朝食に、ミシュランの星に輝く天麩羅!

毎朝の楽しみが、朝食。テーブルまで運んでくれるパンの盛り合わせの中でも気になるのは、ピエール・エルメ・パリのクロワッサンのセレクション。プレーン、パン・オ・ショコラ、クロワッサン・イスパハン、季節のパンなど、つい、あれもこれもと欲張りになってしまいます。

卵料理のラインナップにも、ピエール・エルメ・パリの特製フレンチトーストの文字に、目がキラーン! ちなみに卵は「ひらがいたまごWABISUKE」を使用。黄身が赤みがかった黄色で、濃厚な味わいです。

ほかにもザ・リッツ・カールトン京都のレストランのラインナップはすべてエース級。会席・鮨・天麩羅・鉄板の4つのセクションから校正される「日本料理 水暉」。今回いただいた天麩羅は『ミシュランガイド京都・大阪+和歌山2022』で5年連続1ツ星に輝いています。御影石のカウンターに付くと、目の前にできたてが供されるスタイルで、油がはぜる音やこうばしい香りなど、臨場感もたっぷりです。

イタリア料理「ラ・ロカンダ」は、京都をはじめ国内外の最高級食材を使ったモダンイタリアン。店内には、かつてこの地に別邸を構えた藤田財閥の「夷川邸」が個室として移築されているのも、見どころです。

そしてビジターにも人気なのが、「ピエール・エルメ・パリ ブティック」。パティスリー(生ケーキ)やマカロン、チョコレート、焼き菓子などが、ショーケースにずらり。関西では唯一パティスリーとヴィエノワズリーを入手することができます。そしてザ・リッツ・カールトン京都オリジナルの「ジャルダン ド 京都」はここのみの限定品。お土産に喜ばれること、間違いなしです!

ザ・リッツ・カールトン京都

The Ritz-Carlton, Kyoto
住所/京都市中京区鴨川二条大橋畔
TEL/075-746-5555
www.ritzcarlton.com/jp/hotels/japan/kyoto

 

Photos & Text: Chieko Koseki

Profile

古関千恵子Chieko Koseki 旅行ライター。リゾートやエコ、ダイビングなど、国内外のビーチにフォーカスして寄稿。ここ最近は国内のビーチの美しさを再発見し、全国津々浦々を探訪中。目指すは伊能忠敬!? Instagram:@chieko_koseki

Magazine

JANUARY / FEBRUARY 2025 N°183

2024.11.28 発売

Future Vision

25年未来予報

オンライン書店で購入する