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まるで万能薬なクレイの力
ヘルスケアに使われ始めたのはいつから?
オーストラリアに渡り、クレイの持つ不思議な力にはまったのは今から20年前。2009年には日本人として初のクレイセラピー指南書『大地のエネルギーで癒す クレイセラピー』を出版した自然療法家の福島麻紀子さんに、クレイの起源やメカニズムを聞いた。
「はじまりは、太古の昔に怪我をした動物がクレイで傷を癒しているのを人間が真似たことからでしょう。古代エジプトではミイラの保存にクレイが利用され、古代ギリシャや古代ローマでもクレイを骨折、炎症、潰瘍、打撲、水浴などに使っていたことがわかっています。オーストラリアの先住民アボリジニ人、アメリカン・インディアン、アフリカ各地においても、より良く生きるための知恵としてクレイが活用され、現在まで引き継がれてきました。近代に入ると、19世紀にドイツでクナイプ牧師が“ウォーター・セラピー”と称してクレイを使った療法を確立。20世紀前半には、スイスとドイツで結核治療にクレイによる温湿布を利用していました。また、第一次世界大戦中にフランス軍はクレイをマスタードに加え、戦場で蔓延していた赤痢から身を守っていたそう。
クレイには、体や環境に偏在しがちな、いわゆる毒素(老廃物、ハウスダスト、花粉、油分、重金属など)を吸着して排出するメカニズム(下図参照)があり、またクレイが肌に触れると陽イオン交換作用によってクレイに含まれる有用なミネラルを体内に補給できます。こういったクレイの効能を、人間は長年の体感から知ったのだと思います」
薄い層がいくつも重なり合って成り立っているクレイ。各層の平らな表面はマイナスに、端の部分はプラスに帯電。このマイナスイオン化した表面積の大きさが、プラスに帯電している物質への強力な吸着力を発揮する。
※参考資料『大地のエネルギーで癒す クレイセラピー』福島麻紀子著監修・ICA国際クレイセラピー協会(フレグランスジャーナル社)
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Illustration : Ellie Kubota
Text : Kumiko Ishizuka
Edit & Text : Hisako Yamazaki