usagi bon ごはん vol.87 茗荷と紫蘇の卵とじ | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.87 茗荷と紫蘇の卵とじ

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第87回は、茗荷と紫蘇の卵とじ。

茗荷と紫蘇の卵とじ

お好みで鶏肉や魚介類などを入れても美味しいです。ご飯に乗せても、出汁を多めにしてスープにしたりとアレンジを楽しんでください。

【材料】2人分
茗荷 3個
紫蘇 2枚
卵 2個
精進出汁 300ml ※作り方はこちら
日本酒 30ml
醤油 30ml

【作り方】
1. 茗荷は薄切りにし、紫蘇は刻んでおく。
2. 精進出汁に日本酒、醤油を加え煮たてて、1の茗荷を入れ軽く煮る。
3. 卵を溶き2に回し入れ、蓋をして火を止めて卵に軽く熱を通す。仕上げに紫蘇をのせる。

名物の裏側と味の真実

卵料理はベーシックでバリエーションも豊富な食材。パリのカフェの定番メニューにも、サンドイッチ、サラダ、そしてオムレツがポピュラーだ。今では随分少なくなったけど、カフェのカウンターには必ずゆで卵が盛られて、食べた分だけ支払うなんてシステムも昔はどこでも見られる光景だった。そんな訳だからでは無いけど、我が家では今でも毎日ゆで卵をおやつ代わりに食べている。

世界遺産のモン・サン・ミッシェルは塩の満ち引きで本土側と繋がったり隔離されたり。干潮時、海域が浅いこともあり歩いて渡れるので楽しい。潮が満ちるスピードが速いため昔は巡礼者が溺れ死ぬことも多かったようだ。日本のお遍路さん同様、巡礼は本当に大変だったようで、そんな人達の労をねぎらおうと、食材も少ない中思いついた卵白を泡立てて作ったオムレツは、いつの間にか島の名物になった。

残念ながらそんな背景を知らないで食べると、ただ大きくふわふわなだけでちっとも美味しく無く心底ガッカリせずにはいられない代物。シンプルなだけに奥が深い卵料理。季節の香りを取り込んだ卵とじは、シンプルな中に洗練された味わいが感じられる。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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