usagi bon ごはん vol.77 雑穀雑炊の卵味噌添え | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.77 雑穀雑炊の卵味噌添え

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第77回は、雑穀雑炊の卵味噌添え。

雑穀雑炊の卵味噌添え

雑穀米のほか発芽米、塩の代わりに梅干しや柚子胡椒など、色々とトッピングやアレンジを楽しんでください。

【材料】 4人分
精進出汁 1L ※レシピはこちらを参照
雑穀ごはん 茶碗1杯分
生姜のみじん切り 1片
精製していない塩 少々
かいわれ大根 少々
味噌 大さじ3
メープルシロップ 大さじ3
卵 3個

【作り方】
1. 味噌、メープルシロップを鍋に入れ、弱火で練り、卵を割りほぐして手早く混ぜ合わせる。
2. 雑穀ごはんをざるに入れ、水洗いをしてぬめりをとる。
3. 精進出汁を沸かし、2の雑穀ご飯と生姜のみじん切りを入れる。
4. 3を混ぜないように煮込み、塩で味を整える。
5. 4をお皿に盛り、1の卵味噌とかいわれ大根を添える。

人類と穀物

2020年はコロナで始まりコロナで終わった。それも日本だけではなく、全世界を巻き込んだこの目に見えない敵は人類の肉体的健康面を侵すだけでなく、精神も経済も全てを脅かす存在となって突如この世の中に現れた。

こうして食の連載をやらせて頂いている中、食べることが出来なくなる人々の不安はコロナに感染してしまう事自体だけでなく経済的心配にある。パリでも既に何ヶ月もレストランやカフェは閉鎖が続いて死活問題だ。

人類が狩猟から農耕をするようになって、小麦、とうもろこし、米などを作り始め、その技術が世界中で発達したお陰で、まだまだ飢え問題はなくなったわけではいないが、それでも近年100年前と比べてみても、飢餓は減っている。

農耕は365日休みが無い。ロックダウンになると人手が足りず、広大な敷地を家族だけでは管理しきれず、破棄したり、腐らせてしまったり……。
子供の頃は「お米一粒も無駄に、粗末にしたら目が潰れますよ」と言われ怖かった。

こんな時だから食べ物の大切さを感じて味わいたい。雑炊はお腹にも優しくしてシンプルな味わい。新年を無事に迎えられた感謝と共に質素でも美味しい一品となるだろう。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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