usagi bon ごはん recipe.43 ナスと伏見唐辛子の精進煮 | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん recipe.43 ナスと伏見唐辛子の精進煮

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。

ナスと伏見唐辛子の精進煮

伏見唐辛子が手に入らなければシシトウに変えてもいいですし、色々な夏野菜でも。強火で手早くサッと煮ると野菜の色もきれいに仕上げられます。 【材料】5人前 ナス 10個 伏見唐辛子 15個 カツオ節 少々 精進出汁 400ml ※作り方はこちら 日本酒 70ml きび砂糖 大さじ1 醤油 大さじ2 揚げ油 【作り方】 1. ナスを乱切りにする。 2. 伏見唐辛子は爪楊枝などで穴を開けておく。 3. 揚げ油を熱して、1・2で準備した茄子、伏見唐辛子を揚げる。 4. 鍋に出汁、日本酒、きび砂糖、醤油を入れてひと煮立ちさせ、3の野菜を強火で煮る。 5. 器に盛りつけ、上から軽く炒ったカツオ節を添える。

神の領域で作られるピュアな味

インスタ映えで世界的に有名になっている京都伏見稲荷大社の赤オレンジ色の鳥居群。日本人たる自分自身は、何度も京都に通っているというのに、参ったのは中学の修学旅行以来だろうか? 自分の記憶より、パリの友人たちから見せられた鳥居写真のほうが記憶として残っている。

御鎮座以来1300年以上もの月日を迎えた全国各地で親しまれている稲荷信仰の原点である総本宮なのだ。京都の南、東山三十六峰に位置し、稲荷山全体がその神の領域。そんな地域で出来た伏見唐辛子。伏見甘長唐辛子とも呼ばれる伝統的京野菜は、ピーマンのような青臭さがなく、辛味がないので生でも清涼感があり食べられるのが特徴的。花は、小さな白い花を咲かせるらしい。なにもかも癖のない植物ということだ。

日常を生きていると、癖が多い人にあったり、大変なシチュエーションにぶつかったり、人生って色々なことが起こる。そんなとき人々は神社や寺、寺院に参ってお願いするのである。こんなに世の中が変化しても、世界中で変わらないのは、そんな信仰と神頼み。人はやっぱり何かにすがりたいのだろう。

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Art Work & Text: Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction: Shintaro Imahira Edit: Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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