usagi bon ごはん
recipe.4 精進出汁の茶碗蒸し
アーティスト河原シンスケがプロデュースするサロンレストラン「usagi」の料理をわが家にも。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。
【作り方】
A.精進出汁あんを作る
1. 鍋に精進出汁を入れ、火にかける。沸騰したら弱火にし、塩と水溶き片栗粉を回し入れ、好みの硬さにとろみをつける。
2. ①をもう一度沸騰させたら、火を止め、好みの量の青海苔、醤油を入れよく混ぜる。
茶碗蒸しを作る
1. ボウルに卵を割り入れ、塩を入れ溶きほぐす。豆乳と常温以下に冷ました精進出汁を少しずつ加えてよく混ぜる。
point あえて漉さないことでコシのある茶碗蒸しになる。
2. 器に①を均等に注ぎ入れ、蓋をする(蓋がない場合は、アルミホイルをかぶせる)。
point 器に注ぐ際に表面にできた泡はバーナーまたはチャッカマンなどで軽く炙ると消え、スが入りにくくなる。
3. 鍋に②の器の1/4くらいの高さまで水を入れ沸騰させる。
4. ③の鍋に②を入れ蓋をし、弱火で約12分間蒸す(鍋に入れる器の数によって蒸し時間も増減する)。
5. 鍋を軽く左右にゆすってみて、器の表面が波打たくなったら取り出す。
6. 器にAを流し入れ、上からすりおろした山わさびをお好みで添える。
卵の色幻覚
子どもの頃、卵の殻は白ばかりだった記憶しかない。今は珍しくもないが、初めてベージュの殻を見たのはパリのマルシェだった。マルシェには、買い物するというより、散歩の延長でよく行った。サーカスのテントが設置されるように、簡単なポールとジャバラ式の屋根でマルシェが出来上がるのを見るのも好きだった。
買うのは決まって、安価なジャガイモ、玉ねぎ、そして卵。肉を少し買って肉じゃがを作ったり、卵と玉ねぎで玉子丼を作ったり。学生にとっては、お腹を満たし、財布に優しい、これらの食材が自然と友達だった。その頃は、飛行機代(当時、エコノミークラスでも今のビジネスクラスに近いくらい高価だった)を節約し、帰国する頻度も今より断然少なかった。
人間の慣れとは恐ろしいもので、ベージュの卵が日常になると、帰国したとき、日本で見かける真っ白な卵に何となく違和感を感じた。決して外国かぶれで言ってるわけではないのだが…。
usagi Tokyo
Instagram/@usagi_tokyo_salon
FACEBOOK/Usagi Tokyo
サロンレストラン「usagi」とは
Photos&Art Work&Text:Shinsuke Kawahara
Food Direction:Shintaro Imahira
Edit:Masumi Sasaki