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People Talks

佐藤江梨子インタビュー「クソババアを演じられる女優を目指して」

旬な俳優、女優、アーティストやクリエイターが登場し、「ONとOFF」をテーマに自身のクリエイションについて語る連載「Talks」。vol.39はサトエリこと、女優、佐藤江梨子にインタビュー。

Photos:Wataru Fukaya

Interview & Text:Miho Matsuda

Edit:Masumi Sasaki

20170831 Numero410650


「独身の女」を脱皮して、クソババア役を目指したい

──プライベートでは2015年に出産を経験され、今回、出産後初の映画です。何か変化はありましたか?

「出産前は、夫役・恋人役の人に、当時付き合っていた一番好きな人を重ね合わせてお芝居していたんです。それが出産後は、どうも自分の子どもに当てはめてしまう。この人も、小さな子どもだったことがあるんだよな。だから、こうしてほしい、将来こうなってほしいという気持ちはあるけれど、私が責任を取らなきゃという気持ちになることが増えました。恋人役であっても、愛情をぶつける相手というよりファミリー。面倒みなきゃなっていう」


──出産を経て、女優としてのキャリアにも影響があったと?

「自分の頭の中に私のシナリオがあって、イエローキャブにいた頃は“独身の女“というキャラクターを演じていたんです。『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(2007年)や『その街のこども』(2010年)は、独身だからこそ演じられた役でした。幸せなことに、野田秀樹さん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、蜷川幸雄さんの舞台にも呼んでいただいて、独身時代に、いつか実現できたらと思っていた夢が叶った。結婚して出産し、事務所を移籍してからは、第2ステージとして、作品の規模は関係なく、やりたいことを突き詰めていきたいと思っています。例えば『楢山節考』に出てくるようなおばあちゃん役とか」


──おばあちゃん役はだいぶ先ですね。

「そんなことないですよ。しかも、優しいおばあちゃんじゃなくて、クソババア役がいいですね。愛すべきイジワルばあさんが理想です。こうやって生きて、演じる仕事をもらっているので、愛と勇気だけじゃなく、見てくれた人に何か残せるような芝居をしたいです。クソババア役もそうだし、これまで胸に秘めていたことが実現できたらいいな」

最終目標はおにぎりの美味しそうな人

Profile

佐藤江梨子(Eriko Sato) 1981年12月19日、東京都出身。1999年、高校在学中に「大磯ロングビーチキャンペーンガール」に選出されて芸能界入り。『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』で第29回ヨコハマ映画祭主演女優賞を受賞。『キューティハニー』『口裂け女』『秋深き』『斜陽』『すべては海になる』『その街のこども 劇場版』などに主演。2015年に結婚・出産。その後『嵐の涙〜私たちに明日はある〜』『セシルのもくろみ』などのドラマに出演。映画では本作が復帰作となる。

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