佐藤江梨子インタビュー「クソババアを演じられる女優を目指して」 | Numero TOKYO - Part 2
Interview / Post

佐藤江梨子インタビュー「クソババアを演じられる女優を目指して」

旬な俳優、女優、アーティストやクリエイターが登場し、「ONとOFF」をテーマに自身のクリエイションについて語る連載「Talks」。vol.39はサトエリこと、女優、佐藤江梨子にインタビュー。

20170831 Numero407448
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武尊、黒潮“イケメン”二郎、武藤敬司…スター選手の素顔にキュン ──カナコはひょんなことから格闘技団体のスタッフになりますが、ご自身は格闘技はお好きな方? 「『PRIDE王』(2001〜06年)でナビゲーターをしたり、女子プロを舞台にしたドラマ『ここが噂のエル・パラシオ』(2011年)に出演したり、神無月さんにもデビュー当時からお世話になっているので、格闘技は身近でした。久しぶりで懐かしい気持ちになりました。でも、これまでも、裏側をじっくり見たことはなかったので、今回、選手のマネージャーさんを観察したり、お話をうかがったりして改めて勉強し直しました」
 ──K-1のカリスマ・武尊(タケル)選手、WRESTLE-1の黒潮“イケメン”二郎選手、プロレス界の象徴・武藤敬司選手など、格闘界の現役スターが登場しますね。 「武尊さんは撮影の合間、差入れのハンバーガーを食べても、すぐに身体を動かすんですよ。『いつまでに何キロ落とさなくちゃいけないから』と。選手の努力を間近で見ることができたのは、とても参考になりました。それから、武藤さんがセリフを噛んじゃったとき、お弟子さんたちがプルプル肩を震わせて笑いを堪えていたんです。俳優だったらセリフを噛むことはよくあることですけど、武藤さんは、例え演じていても彼らにとってはボスだから。そういうリアルな感じも楽しい現場でした。それから、共演シーンの多い黒潮さんは、すっかりファンになってしまって、撮影後も誕生日イベントにお漬物をプレゼントしました」 ──選手たちを裏から支える裏方を演じてみて視点は変わりましたか? 「ヒデオのマネージャーを近藤芳正さんが演じているんですが、小さな事務所でいい時も一緒に経験しているからこそ、見捨てずにずっと応援してくれる。私が事務所を移籍したときのことを思い出して切なくなりました。それから、グループや団体に付いているマネージャーさんをずっと観察していると、贔屓じゃないけど“推し”が誰なのかわかるんです。売り出し中なら特に、力を入れたい人がいるのは当然ですしね。個人と団体でも裏方の仕事は違うと勉強になったし、とにかく全力で支えるという姿勢に感動しました」

愛すべきクソババア役を目指したい

Photos:Wataru Fukaya

Interview & Text:Miho Matsuda

Edit:Masumi Sasaki

Profile

佐藤江梨子(Eriko Sato) 1981年12月19日、東京都出身。1999年、高校在学中に「大磯ロングビーチキャンペーンガール」に選出されて芸能界入り。『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』で第29回ヨコハマ映画祭主演女優賞を受賞。『キューティハニー』『口裂け女』『秋深き』『斜陽』『すべては海になる』『その街のこども 劇場版』などに主演。2015年に結婚・出産。その後『嵐の涙〜私たちに明日はある〜』『セシルのもくろみ』などのドラマに出演。映画では本作が復帰作となる。

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