上田暁子、石塚元太良、森本啓太によるグループ展「Worlding − No Oars, No Shore」が、東京・銀座のポーラ ミュージアム アネックスにて開際中。

「世界はどのように立ち現れるのか」を出発点に、上田暁子、石塚元太良、森本啓太がそれぞれ異なる手法で向き合った展覧会「Worlding − No Oars, No Shore」。
絵画を単なる再現や表象の手段とは捉えず、何かの事象が変質・変容していく過程やその瞬間、あるいはその成り行きの表現手段として追求する上田暁子は、色彩や形態の変化を通して、像が現れかけては崩れていく過程や、出来事が生まれる瞬間を描き出す。

近年は、暗室で露光した印画紙を用いた立体作品や、多層に印画紙を編み込んだモザイク状の作品など、写真が平易な情報のみに終始してしまうSNS時代に写真表現の空間性の再解釈を試みる石塚元太良。本展では写真表現を基点に、光や素材の扱いを拡張しながら、時間や空間が重なり合う感覚を提示する。

バロック絵画や20世紀初頭のアメリカン・リアリズム、そして古典的な風俗画の技法やテーマを参照し、ありきたりな現代の都市生活のワンシーンを特別な物語へと変貌させる森本啓太。本誌でも注目のアーティストとして取り上げた気鋭のアーティストだ。本展でも古典絵画を参照しつつ、都市の日常的な風景を描き、「光」を手がかりに現代の現実と歴史的な奥行きを重ね合わせ、見ることや認識のあり方を問いかける。

(参考)注目のアーティストファイル vol.6 画家・森本啓太
https://numero.jp/20260305-theartistfiles-6/
会場では、性質の異なる三つの世界が互いに接続されることなく並置されながらも、それらを同時に体験することで、鑑賞者の中に新たな関係や見え方が生まれている。
気鋭の3名による展覧会、ぜひお見逃しなく。
上田暁子 石塚元太良 森本啓太「Worlding − No Oars, No Shore,」
会期/2026年6月12日(金)〜7月5日(日) ※会期中無休
時間/11:00 〜19:00(入場は18:30まで)
会場/ポーラ ミュージアム アネックス
住所/東京都中央区銀座 1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
URL/www.po-holdings.co.jp/m-annex/
Text:Akane Naniwa
