伝説の写真家・深瀬昌久の個展が恵比寿のMEMで開催 | Numero TOKYO
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伝説の写真家・深瀬昌久の個展が恵比寿のMEMで開催

深瀬昌久 『私景 ʻ92』 (1991年) ©Masahisa Fukase Archives courtesy of MEM
深瀬昌久 『私景 ʻ92』 (1991年) ©Masahisa Fukase Archives courtesy of MEM

写真家・深瀬昌久の展覧会「風狂と風雅 -《私景》をめぐって-」が、東京・恵比寿のMEMで開催中。会期は、2025年4月5日(土)〜27日(日)まで。

深瀬昌久 『私景 ʻ92』 (1991年) ©Masahisa Fukase Archives courtesy of MEM
深瀬昌久 『私景 ʻ92』 (1991年) ©Masahisa Fukase Archives courtesy of MEM

“私写真”の先駆者として再評価が高まる一方、現在公開中の浅野忠信主演の映画『レイブンズ』の主人公として注目を集める深瀬昌久(1934-2012年)。

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深瀬昌久 『私景 ʻ92』 (1991年) ©Masahisa Fukase Archives courtesy of MEM
深瀬昌久 『私景 ʻ92』 (1991年) ©Masahisa Fukase Archives courtesy of MEM

晩年の代表作である 『私景』は、カメラを片手に自身を入れてさまざまな場所で撮影したシリーズだ。同作は1990年、銀座ニコンサロンで開催された「私景—旅の便り」で初めて展示され、当初は、パリやロンドン、ブリュッセル、アントワープなどを旅したときの風景を撮影。その後、東京の路上を歩き回って撮影されたものへと続く。

92年には、銀座ニコンサロンで『私景』、『ブクブク』、『ベロベロ』、『ヒビ』から450枚あまりのプリントを展示した「私景‘92」を開催。この会期の直後、深瀬は事故による障害により2012年に逝去するまで、長年の入院生活を余儀なくされることになった。

深瀬昌久 『私景 ʻ92』 (1991年) ©Masahisa Fukase Archives courtesy of MEM
深瀬昌久 『私景 ʻ92』 (1991年) ©Masahisa Fukase Archives courtesy of MEM

『私景‘92』ではコニカビッグミニを使い、ノーファインダーで自分の顔や手、足をフレームにいれて撮影。その後、銀塩プリントの上から水彩絵の具で着彩し、ときには言葉を添えた作品を制作している。本展は、主にこれらの着彩された写真群で構成され、幾重にも重なった深瀬のまなざしと身体性が、見るものを揺さぶる作品群となっている。

なお、浅野忠信主演による深瀬の自伝的映画『レイブンズ』は、3月28日より全国公開。瀧内公美が演じる妻・洋子と深瀬の半生が、実話とフィクションを織り交ぜて描かれた本作とあわせて、ぜひ注目したい。

※掲載情報は4月18日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。

深瀬昌久展「風狂と風雅 -《私景》をめぐって-」
会期/2025年4月5日(土)〜27日(日)
会場/MEM
住所/東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F
開館時間/13:00〜19:00
休館日/月
※月曜日が祝休日の場合は開廊、翌平日休廊
URL/https://mem-inc.jp/2025/03/29/fukase2025/

Text : Akiko Kinoshita

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