あの「バルーン・アニマルズ」が買える!? ジェフ・クーンズとベルナルドがコラボ
1863年にフランス・リモージュで創業。格調高い伝統工芸技術を継承しながらも、いまやテーブルウェアのみならずインテリアやアクセサリーの分野にも進出しているBernardaud(ベルナルド)。世界的に活躍するアーティストやデザイナーたちとも積極的にコラボレーションを行っている同ブランドが、アメリカの現代アート界を代表するアーティストのひとりであるジェフ・クーンズとのコラボレーション作品を発表した。
今回のジェフ・クーンズとのコラボレーション作品「バルーン・アニマルズ」シリーズは、3月18日(水)にオープンした日本橋三越本店 本館6階三越コンテンポラリーギャラリー内で展示・販売。ジェフ・クーンズの代表作の一つであり、1990年代の初頭から着手した彫刻“Celebration”シリーズの中でも特に注目を浴びた「バルーン・ドッグ」もマゼンタ、オレンジ、イエローの3点セットで登場する。 ベルナルドの技術を高く評価した、アーティスト自身の希望によって実現したというこのコラボレーション。複雑な結び目、しわ、ねじれなど オリジナルの形状を忠実に再現し、精度の高いステンレスで表面を覆うことでミラー状の反射加工を磁器に施す。そんな、非常に高度で複雑な「バルーン・アニマルズ」プロジェクトにおいて、ベルナルドはアーティストの期待に応えようと、彫刻師から装飾家、エナメル職人に至るアトリエのすべての職人の技術を総動員したばかりでなく、最新技術の開発に成功し、リモージュのアトリエに導入したのだという。
ウサギはクーンズの主要なテーマのひとつ。最初に用いられたのは1979年の「Inflatable Flower and Bunny (風船による花とバニー)」。それに続くのがステンレス製の「ラビット」(1986)で、こちらは「バルーン・ラビット」と同じように表面を反射加工させたシリーズの第1作目となる作品だ。鏡面のおかげで見る者も作品を構成する一要素となり、自分の個性が現れてくるのが見えてくる。そのウサギの風船といえば、昨年のクリスティーズでは存命のアーティストとして史上最高額の約100億という高値がついたことも記憶に新しい。「なぜウサギなのか?」の問いに対しては、アーティストはこう答えている。
「このアイデアは、私が育ったペンシルベニア州中心地の南部の農村地域から生まれました。クリスマスにトナカイを飾るように、この地域では一年の特定の時期に、家の前の庭に置物を飾ります。春、イースターの時期にはウサギを膨らませた風船を飾ります。こうして他人を喜ばせる近所の人達の心の寛大さと優しさに、私はいつも感銘を受けました。私が最も誇りに思っていることの1つは、見る人にこれはアート作品だという威圧をかけることなく、各々が自分の感覚と理解力に応じて、感じるまま素直に鑑賞できる作品を作っていることです」
なお、今回掲載している価格は2月26日時点のもので、アート作品なので価格は変動するとのこと。イースター(今年は4月12日)目前、手に届くジェフ・クーンズの「ウサギ」を観に、はたまたお迎えに(?)、ぜひギャラリーを訪れてみて。
お問い合わせ/日本橋三越本店 本館6階 三越コンテンポラリーギャラリー
住所/東京都中央区日本橋室町1-4-1
Tel/03-3241-3311(代表)
www.mitsukoshi.mistore.jp/
Text:Chiho Inoue