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杉本博司の集大成にして、最新作「江之浦測候所」を訪ねて
杉本博司による施設空間という作品、江之浦測候所が小田原に誕生した。発売中の「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2017年12月号にて、その全貌が明らかに。
10年以上の構想を重ね、杉本博司の集大成ともいえる渾身の作、小田原文化財団 江之浦測候所が完成した。全長100メートルのギャラリー棟に光学ガラスで作られた舞台、巨石を組んだ石舞台と隧道(トンネル)、全国から収集された銘石による庭園、千利休の「待庵」を写した茶室など、そこにある全てが作品だというこの場所を紹介。 また、インタビューの中で杉本博司はこう語る。「悠久の昔、古代人が意識を持ってまずしたことは、天空のうちにある自身の場を確認する作業であった。そしてそれがアートの起源でもあった」。冬至、夏至、春分、秋分を節目とする、太陽の運行と季節の巡りという自然と人間の関わりの原点に立ち戻って、人の最古の記憶を現代人の脳裏に蘇らせるために構想されたいう。自らの粋を結集した道楽の極致であり、この先、1万年後まで続く、未来の遺跡「江之浦測候所」にみる、杉本博司のヴィジョンとは?
Issue:Numéro TOKYO December 2017 No.112