Culture / Post

『風立ちぬ』と合わせて見たい! 八谷和彦 個展『OpenSky 3.0』


八谷和彦 近影(Photo: 米倉裕貴)
 
 八谷和彦といえば、90年代後半に一世を風靡した、ピンク色のクマが電子メールを配達してくれる『ポストペット』の開発者であり、さらにアート好きの間では『視聴覚交換マシン』や、ジェットエンジン付きスケートボード『エアボード』などの作品で知られる“発明系アーティスト”だ。
 しかし、アーティストといえば“芸術家”。なぜ、アートの専門家が10年もの月日を費やしてホンモノの飛行機を作っているのか。そもそも、これはアートの展覧会なのか。
 偶然、会場でお見かけしたのをいいことに、いきなりご本人を直撃した。
 以下はそのまとめである。

  
 


『M-02J』。八谷和彦本人が搭乗し、今年から飛行テストがスタートした。
 
 「そもそもの出発点は、“アーティストでなければ作れないもの”を作ろう、ということでした。
 いまや日本では、国産の飛行機はほとんど作られていない状況です。その背景には、第二次世界大戦後の日米関係など、さまざまな要因があるでしょう。一方で、かつて世界を席巻した日本の家電メーカーや自動車メーカーもまた、深刻な状況に喘いでいます。
 でも、ものづくり産業が苦境に立たされているいま、逆に草の根レベルだからこそ、できることがあるはずです。経済的な合理性がなくても、素人でも、たとえ失敗してもいい、アートならばこそ、作ることができるはずだと思ったのです。
 ホンダの創業者である本田宗一郎は、終戦直後から自作のオートバイに取り組むなど、エンジニアでもあり、レーサーでもありました。つまり必要なのは、自分の夢を本気で実現しようとする力、『ないんだったら作ればいい!』という発想だと思うのです」(八谷氏)

  
 


ゴム索の力でテストフライト中の『M-02』。この機体は金沢21世紀美術館の所蔵作品でもある。(Photo: 米倉裕貴)

 
 
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