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ディスカバー・ジャパン第二弾?! 観光大国ニッポンへの道[前編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.20
K「デパート業界に限って言えば、富裕層が持ってこられる額が上がっていて、伊勢丹でも富裕層が自国のクレジットカードで直接日本円を下ろせる端末を置いていた時期があるんですよね。今は上限がなくなったので、端末自体を見なくなりましたが。館内放送が4ヶ国語になり、外国人の店員も増えてきましたよね。僕はこの間京都に行ったのですが、京都は自分たちがパリだという自覚があるので、おしゃれカフェの隣に文化遺産があったりするのが改めて目に留まりました。リーマンショック以降の不況もあるでしょうが、“うまみの発見”とか“会席料理を世界文化遺産へ”とか、諸現象がそっちに向いているように思います」
I「さっきホスピタリティと言いましたが、以前の観光はサービスとかサービス産業とか言ってました。サービスという言葉はセルヴス、『奴隷』を語源とし、主従関係を思わせますが、ホスピタリティの語源はホスピクス、『保護』であり、その言葉はホスピタルやホスピスへつながっていきます。日本の観光客人口の増加は、そうした他者をもてなすことの歓びや感動にどう新しく目覚めていくかにもかかっているような気がしますね。難民受け入れも含めて、そこが要かもしれません」
Photo(Portrait):Yuji Namba Text:Misho Matsue