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ディスカバー・ジャパン第二弾?! 観光大国ニッポンへの道[前編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.20

K「何度もお話ししているように、僕は伊勢丹新宿店が好きなんですけれど、ある時から『富裕層』という言葉が浸透し、中国や韓国の貴族的な特権階級の人たちが大金を持って伊勢丹にやってくる、という状況が続いています。そして売り上げにおける彼らの割合が日本人を超えてきたと言われていたものの、でもそれだけではここまでの規模にはなりませんよね。一方で、浅草の方には日本マニアみたいな人がいたり、リュックサック一つでツーリスト専用のホテルに泊まる人がいたり、そうやって点在していた人々が雪崩化して一気に面になっている。新宿にはタイで“日本で一番美味しい”と紹介されている六歌仙という焼肉屋があり、客のほとんどはタイ人なんですよ。で、彼らは辛さが足りないので自分で焼肉のタレを持参するんです(笑)。“ワギュウ”という言葉が、“タバコ”や“フトン”に続く、海外で通じる日本語になっていますよね。日本にはもともと純血思考というか、『お伊勢参りに外国人が大挙するのはちょっと…』という風潮が全体的にありましたが、そうやって集団ヒステリーを起こすぶん逆に、もういいや、と思ったら一気にまったく気にしなくなるのも日本ならではだと思います(笑)」
I「確かに、臨界点を超えるとね(笑)。この夏はヨーロッパで戦後70年最大の難民問題が起こりましたが、他の先進諸国は多くの難民受け入れをしているのに、日本だけは表明しない。実は観光客増と難民拒否はリンクしているようにも思います。ドイツは高齢化と活力不足で百万単位の難民受け入れを表明してるし、日本も同じような状況なんですけどね」
K「日本の場合はフランス人の観光客に対する目線とはまた違うものがあると思います。リーマンショック以降、全国各地が寂れてしまって、このままでは地方の観光はダメになってしまう。最近ではゆるキャラ様の神通力も通じなくなってきたので(笑)。日本の文化的な純血の拠点は秋葉原にあったのが、コンテンツ自体は変わらないものの、とうとう世界中からコスプレイヤー、オタクが集まるようになって、インターナショナルシティに変わったんですよね。日本では最大の問題と言われていたのが言語で、これまでは言葉の壁によって海外に対応できなかったのに、いまでは外国人の方が一言二言日本語を覚えるようになってきて、大学の外国語もドイツ語やフランス語はいまや流行っておらず、中国語を選択する人が増えているみたいですね」
I「やはり、職業に直結しますからね。中国語を話せると、チップの額も全然違うらしいですよ(笑)」
【オリンピックまでには3000万人近くの外国人旅行客が日本へ?】

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